ビザ
第12章 ビザ
本章では、ミャンマーへの渡航・滞在にあたり、ビザに関して知っておくべき基本事項、取得方法、入国時の注意点、長期滞在時の在留許可・再入国ビザ・外国人登録等について説明します。
ミャンマーに入国しようとする日本国籍者は、原則として事前に査証(ビザ)を取得する必要があります。過去には観光目的の日本人渡航者について一時的にビザ免除措置が取られた時期もありましたが、現在は観光・商用を問わず、ビザの取得を前提として渡航準備を行う必要があります。
なお、観光目的で主要国際空港から入国する日本国籍者については、2024年10月21日より、到着時に空港で査証の発給を受けることができる到着時観光ビザ(Tourist Visa on Arrival)の試行運用が開始されています。もっとも、当該制度は試行措置であり、対象国・対象空港・必要書類・運用期間が変更される可能性があるため、渡航前に在外ミャンマー大使館、ミャンマー入国管理当局、航空会社等で最新情報を確認する必要があります。
また、現在のミャンマーでは治安情勢や行政運用が流動的であり、ビザ制度・入国手続・国内滞在手続の運用が変更されることがあります。そのため、本章の内容は基本的な実務整理として参照し、実際の申請・渡航前には必ず最新の公的情報および現地実務を確認してください。
1. 査証(ビザ)とは
ビザとは、訪問しようとする国の在外公館または当局が、訪問者の所持する旅券の有効性、入国目的、滞在予定等を審査し、自国への入国を認めるために発給する証書です。
ただし、ビザは最終的な入国許可そのものではありません。入国時の最終判断権限は入国審査官にあるため、ビザを所持していても、入国時の審査結果、滞在目的、提出書類、滞在先、治安上の理由、その他当局の判断により入国を拒否される可能性があります。
国によって、また入国目的によって、ビザが必要な場合と不要な場合があります。ミャンマーの場合、日本国籍者は原則としてビザが必要です。渡航前には、必ず最新の入国条件を確認してください。
2. ビザに関わる基本用語
2.1 旅券残存有効期間
旅券残存有効期間とは、パスポートの有効期限までの残り期間をいいます。ビザ申請時および入国時には、一定期間以上の旅券残存有効期間が求められます。
ミャンマーの場合、通常、入国日から少なくとも6か月以上の旅券残存有効期間が必要です。また、ビザシールや入国・出国スタンプのため、パスポートに未使用の査証ページが必要となります。大使館申請では、通常、パスポート原本の提出が必要です。
2.2 ビザの種類
ビザは、渡航目的に応じて、観光、商務、就労、教育、宗教、報道、乗務員、通過等に分類されます。
ミャンマーへの短期渡航では、観光目的であれば観光ビザ、商談・業務視察・出張・現地法人での業務等であれば商務ビザ(Business Visa)が一般的です。長期滞在や就労を伴う場合は、入国時のビザだけでなく、入国後の在留許可、再入国ビザ、外国人登録等の手続が必要となることがあります。
2.3 書類認証
書類認証とは、日本の外務省や各国大使館・領事館が、各種書類を公的書類または真正な書類として確認する手続です。ハーグ条約加盟国ではアポスティーユ認証が利用される場合があります。
ミャンマーの一般的な観光ビザ・商務ビザ申請においては、通常、日本側書類の認証までは求められません。ただし、家族帯同、出生証明、婚姻証明、学歴証明、技術証明等を提出する場合には、英訳、公証、認証等が求められる可能性があります。実際の提出要否は、申請先および現地当局の指示に従って確認する必要があります。
2.4 労働許可証(ワークパーミット)
労働許可証とは、外国人が滞在国で就労することを許可する証書をいいます。国によっては、就労ビザとは別にワークパーミットの取得が必要です。
ミャンマーでは、タイのような一般的な意味でのワークパーミット制度は、通常の会社法上の会社に勤務する外国人については一般的ではありません。実務上は、商務ビザまたは就労関連のビザで入国し、必要に応じて在留許可および再入国ビザを取得・更新することにより、就労目的の滞在を継続する形で運用されています。
ただし、経済特区、投資認可企業、政府プロジェクト、特定業種等では、別途の許認可、推薦状、当局承認が必要となる場合があります。
2.5 Personal History
Personal Historyとは英文経歴書を意味します。申請者の学歴、職歴、入社年月、所属部署、役職、職務内容等を記載する書類で、日本でいう履歴書に近い書類です。
ビザ、在留許可、再入国ビザ、当局推薦状の申請時に提出を求められる場合があります。
2.6 滞在許可/居住許可
滞在許可または居住許可とは、その国に滞在できる期間を示す許可です。ビザで入国した後、長期滞在を行う場合には、ビザとは別にStay Permit等の滞在許可手続が必要となる場合があります。
ミャンマーでは、商務ビザで入国した後、長期滞在を行う場合には、在留許可(Stay Permit)および再入国ビザ(Re-entry Visa/Multiple Journey Special Re-entry Visa)の取得・更新を検討することになります。
2.7 Certificate of Employment
Certificate of Employmentとは雇用証明書を意味します。雇用予定法人または雇用主が、申請者の雇用関係、役職、職務内容、勤務予定地等を証明する書類です。雇用契約書、採用通知書、給与明細等で代替される場合もあります。
2.8 会社推薦状/Recommendation Letter
会社推薦状とは、雇用先または招聘元法人が、ビザ申請者の身分、渡航目的、滞在予定、業務内容等を説明し、ビザ発給または滞在許可手続を依頼する書面です。
ミャンマーの商務ビザ申請、在留許可、再入国ビザ申請では、招聘状、会社依頼書、DICAまたは関係省庁の推薦状等が重要な書類となります。
3. ミャンマーにおけるビザの取得方法
ミャンマー入国のためのビザ取得方法は、主に以下の3つです。
- 在外ミャンマー大使館・領事館で取得する方法
- オンラインのE-Visaで取得する方法
- 到着時ビザ(Visa on Arrival)を現地空港で取得する方法
通常、初回入国時はシングルエントリーのビザを取得することになります。マルチプルビザについては、在外ミャンマー大使館での申請またはミャンマー国内での在留許可・再入国ビザ申請により取得する形となります。
なお、E-Visaは観光ビザおよび商務ビザが中心であり、E-Visaで入国した場合でも、承認レターを印刷して持参し、到着時に入国審査で提示する必要があります。
4. 主なビザの種類と概要
4.1 大使館申請の主なビザ
在東京ミャンマー大使館の公表情報では、主なビザの種類、滞在可能期間、ビザ有効期間、申請費用は以下のとおりです。なお、料金・取扱いは変更される可能性があるため、申請前に必ず大使館の最新情報を確認してください。
ビザタイプ | 滞在可能日数 | ビザ有効期間 | 申請費用 |
|---|---|---|---|
観光ビザ | 28日 | 3か月 | 4,200円 |
商務ビザ(シングル) | 70日 | 3か月 | 5,200円 |
商務ビザ(マルチプル・3か月) | 70日 | 3か月 | 20,900円 |
商務ビザ(マルチプル・6か月) | 70日 | 6か月 | 41,800円 |
商務ビザ(マルチプル・1年) | 70日 | 1年 | 62,700円 |
ソーシャルビザ(シングル) | 70日 | 3か月 | 5,200円 |
ソーシャルビザ(マルチプル・3か月) | 70日 | 3か月 | 15,700円 |
ソーシャルビザ(マルチプル・6か月) | 70日 | 6か月 | 31,300円 |
ソーシャルビザ(マルチプル・1年) | 70日 | 1年 | 47,000円 |
宗教ビザ(シングル) | 70日 | 3か月 | 5,200円 |
宗教ビザ(マルチプル・3か月) | 70日 | 3か月 | 15,700円 |
宗教ビザ(マルチプル・6か月) | 70日 | 6か月 | 31,300円 |
宗教ビザ(マルチプル・1年) | 70日 | 1年 | 47,000円 |
通過ビザ | 24時間 | 24時間 | 2,100円 |
国際機関関係者ビザ(シングル) | 70日 | 3か月 | 5,200円 |
国際機関関係者ビザ(マルチプル・3か月) | 70日 | 3か月 | 20,900円 |
国際機関関係者ビザ(マルチプル・6か月) | 70日 | 6か月 | 41,800円 |
国際機関関係者ビザ(マルチプル・1年) | 70日 | 1年 | 62,700円 |
就労ビザ | 70日 | 3か月 | 5,200円 |
教育ビザ(シングル) | 90日 | 3か月 | 5,200円 |
教育ビザ(マルチプル・1年) | 1年 | 1年 | 16,720円 |
報道・メディアビザ | 28日 | 28日 | 4,200円 |
乗務員ビザ(シングル) | 90日 | 3か月 | 5,200円 |
乗務員ビザ(マルチプル・2年) | 2年 | 2年 | 16,720円 |
ワークショップ/セミナー/会議/研究ビザ | 28日 | 3か月 | 4,200円 |
上記の料金は在東京ミャンマー大使館での円建て料金を前提としています。他国のミャンマー大使館・領事館で申請する場合、料金は米ドルまたは現地通貨建てとなり、金額が異なる場合があります。
4.2 E-Visa
E-Visaは、ミャンマー入国管理当局の公式オンラインシステムを通じて申請する電子ビザです。現行の主なE-Visaは以下のとおりです。
ビザタイプ | 滞在可能日数 | 申請費用 |
|---|---|---|
商務E-Visa | 70日 | 70USD |
観光E-Visa | 28日 | 50USD |
E-Visaはシングルエントリーです。再入国する場合は、別途ビザまたは再入国ビザが必要となります。
商務E-Visaを申請する場合、通常、英文招聘状、Business eVisa requisition letter、会社登記証、DICA発行の会社情報、Annual Returnの有効性を示す資料等が求められます。招聘元会社はMyCO上で有効な会社であり、実際にミャンマー国内で活動していることが前提となります。
4.3 到着時ビザ(Visa on Arrival)
到着時ビザは、ミャンマー到着後、対象空港の入国審査前カウンターで申請するビザです。対象となる空港は、通常、ヤンゴン国際空港、マンダレー国際空港、ネーピードー国際空港です。
ミャンマー外務省の公表情報では、到着時ビザとして以下の種類が掲載されています。
ビザタイプ | 滞在可能日数 | 申請費用 |
|---|---|---|
商務ビザ | 70日 | 50USD |
ワークショップ/セミナー/会議/研究ビザ | 28日 | 40USD |
通過ビザ | 24時間 | 20USD |
乗務員ビザ | 28日 | 40USD |
観光ビザ | 30日 | 50USD |
ただし、観光ビザの到着時発給については、対象国・対象期間・対象空港に制限があります。日本国籍者については、観光目的でヤンゴン、マンダレー、ネーピードーの各国際空港から入国する場合に、到着時観光ビザの試行運用が行われています。
到着時観光ビザの主な条件は以下のとおりです。
- 観光目的であること
- 一般旅券を所持する日本国籍者であること
- 対象国際空港から入国すること
- パスポートの残存有効期間が6か月以上あること
- カラー写真2枚を持参すること
- 申請料50USDを支払うこと
- 滞在可能期間は30日
- 滞在期間の延長は不可
- オーバーステイの場合は罰則金が課される
到着時ビザは、現地到着後に申請するため、航空会社の搭乗時確認や現地空港での運用によりトラブルが発生する可能性があります。確実性を重視する場合は、事前にE-Visaまたは大使館ビザを取得することを推奨します。
5. 商務ビザの取得手続
ミャンマーで業務目的の渡航、出張、現地法人での勤務、長期駐在等を行う場合、通常は商務ビザの取得を検討します。
商務ビザには、シングルエントリーとマルチプルエントリーがあります。初回の渡航では、シングル商務ビザまたは商務E-Visaで入国し、その後、必要に応じてミャンマー国内で在留許可および再入国ビザを申請する流れが一般的です。
5.1 在外ミャンマー大使館で申請する場合
在外ミャンマー大使館で申請する場合、申請者本人または代理人が必要書類を準備して申請します。郵送申請が認められる場合もありますが、申請先大使館の運用に従う必要があります。
商務ビザ(シングル)の主な必要書類は以下のとおりです。
- パスポート原本
- 入国時に6か月以上の残存有効期間があること
- 未使用の査証ページが2ページ以上あること
- カラー写真1枚
- 3.5cm×4.5cm
- 背景は白
- 最近撮影されたもの
- 入国/商務ビザ申請書
- パスポートの顔写真ページのコピー
- ミャンマーの会社・団体からの招聘状
- 招聘元会社の会社登記証、Form 6、Form 26等
- 所定の納税証コピー、免税許可書類、または納税準備中であることの説明書
- 必要に応じて追加書類
不備がない場合、在東京ミャンマー大使館では比較的短期間で発給されることがありますが、行政運用、休館日、追加確認、予約制の有無等により変動します。
5.2 マルチプル商務ビザ
マルチプル商務ビザは、ビザ有効期間内であれば複数回の入国が可能なビザです。大使館で取得する方法と、ミャンマー国内で在留許可と併せて再入国ビザとして取得する方法があります。
在東京ミャンマー大使館の公表情報では、商務マルチプルビザは3か月、6か月、1年の区分があります。もっとも、申請資格や過去渡航実績の要件は運用により変動する可能性があります。
従来実務では、以下のような運用が見られました。
種類 | 申請可能となる目安 |
|---|---|
3か月マルチプル | 過去1年以内にシングル商務ビザでの渡航実績がある場合 |
6か月マルチプル | 過去1年以内に複数回の渡航実績がある場合 |
1年マルチプル | 6か月マルチプルビザでの渡航実績等がある場合 |
ただし、これはあくまで実務上の目安であり、大使館や時期によって取扱いが異なる可能性があります。申請前に必ず最新要件を確認してください。
6. E-Visaで申請する場合
E-Visaで申請する場合、申請者本人または代理人がミャンマー入国管理当局の公式E-Visaサイトからオンライン申請を行います。
主な手続の流れは以下のとおりです。
- E-Visaサイトでアカウントを作成する
- 申請フォームに入力する
- 顔写真および必要書類をアップロードする
- 申請内容を確認する
- クレジットカード等で申請料を支払う
- 承認レターを受領する
- 承認レターを印刷して持参し、到着時に入国審査で提示する
商務E-Visaの主な必要書類は以下のとおりです。
- パスポート
- 6か月以上の残存有効期間があること
- 顔写真データ
- 申請料支払用のクレジットカード等
- 英文招聘状
- Business eVisa requisition letter
- 招聘元会社の会社登記証
- DICA発行の会社情報
- Annual Returnが有効であることを示す資料
E-Visaはシングルエントリーです。再入国が必要な場合は、新たなビザまたは再入国ビザの取得を検討する必要があります。
7. 到着時ビザで申請する場合
日本国籍者は、一定の条件のもと、到着時ビザを利用できる場合があります。到着時ビザは、ミャンマー到着後、入国審査前の専用カウンターで申請します。
商務目的の到着時ビザを申請する場合、主な必要書類は以下のとおりです。
- パスポート原本
- 入国時に6か月以上の残存有効期間があること
- カラー写真2枚
- 4cm×6cm、または当局指定サイズ
- 過去6か月以内に撮影されたもの
- 英文招聘状
- 招聘元会社の会社登記証、事業ライセンス、事業許可等のコピー
- 申請者の職位、業務内容、スポンサー、滞在先住所等の情報
- 必要に応じて、会議・ワークショップ等の関連省庁からの招聘状
- 通過ビザの場合は最終目的地までの航空券
観光目的の到着時ビザを利用する場合は、観光目的であること、ホテル予約票、帰国・第三国行き航空券、旅程表等を求められる可能性があります。運用は空港や時期により異なるため、必要書類は余裕をもって準備してください。
到着時ビザは必ず発給されるとは限りません。確実な入国を希望する場合は、E-Visaまたは大使館での事前取得を推奨します。
8. 入国後の在留許可、再入国ビザ、ビザ延長
8.1 長期滞在時の基本的な考え方
商務ビザで初めてミャンマーに入国する場合、通常の滞在可能期間は70日です。長期駐在や継続勤務を予定する場合には、入国後、在留許可(Stay Permit)および再入国ビザ(Re-entry Visa/Multiple Journey Special Re-entry Visa)の取得を検討する必要があります。
在留許可はミャンマー国内での滞在期間を延長する手続であり、再入国ビザは在留許可期間中に出国・再入国するための手続です。再入国ビザを取得しないまま出国した場合、滞在許可の扱いに影響が生じる可能性があります。
8.2 従来のDICA推薦状ルート
会社法に基づいて設立された一般的な会社に所属する外国人については、従来、DICAを通じて推薦状を取得し、その推薦状を添えて入国管理当局で在留許可および再入国ビザを申請する流れが一般的でした。
主な流れは以下のとおりです。
- 申請書類の作成
- DICAへの申請書類提出
- DICAから推薦状を受領
- 入国管理当局への申請
- Stay PermitおよびRe-entry Visaの発行
DICAへの主な提出書類は以下のとおりです。
- DICA発行のビザ申請フォーム
- 直近月の申請者の個人所得税納付書
- 法人税・商業税の納付書
- 会社の全従業員リスト
- 役員を含む
- 氏名、役職、国籍、パスポート番号またはNRC番号等
- 申請者のパスポートコピー
- 顔写真ページ
- 初回入国時の入管スタンプページ
- 直近入国時の入管スタンプページ
- 最新のビザページ
- 申請企業との雇用契約書
- 登記上のDirector、Secretary、Authorised Officerについては不要とされる場合あり
- 会社登記証
- Company ExtractまたはMyCO上の会社情報
- 会社の現在の実際の活動内容を説明する英文概要
- 大学卒業証明書または技術証明書
- 英訳が必要
- 登記上のDirector、Secretary、Authorised Officerについては不要とされる場合あり
- 出生証明
- 8歳未満の子ども等で必要となる場合あり
- 顔写真データ
- 背景は青または白
- 1.5×2インチ等
DICAから推薦状が発行された後、入国管理当局に以下を提出して手続を進めます。
- DICA発行の推薦状
- パスポート原本
- 外国人登録証(FRC)
- Immigration Form
- その他当局が求める書類
MIC認可企業、経済特区所在企業、政府プロジェクトに従事する企業等の場合、推薦状の発行主体がDICAではなく、MIC、SEZ当局、関係省庁、政府機関等になる場合があります。
8.3 eStay Extension
2025年9月以降、Business Visaに関するStay ExtensionおよびRe-entry Visaについては、オンラインのeStay Extension Serviceが利用できる運用が再開されています。
当該オンラインサービスは、Embassy-issued Business Visa、Business Visa on Arrival、Business eVisaを含むBusiness Visaの各カテゴリを対象とするものとされています。
主な手続の流れは以下のとおりです。
- オンライン申請を行う
- 受付確認メールを受領する
- 審査結果をメールで受領する
- 承認された場合、支払リンクからオンラインで手数料を支払う
- 支払完了メールを受領する
- 指定された事務所でパスポートにStay/Re-entry Visaのシール貼付を受ける
オンライン申請の処理期間は、受付確認後、通常最大5営業日程度とされています。ただし、書類不備、追加確認、休日、システム状況、当局運用により遅れる可能性があります。
オンラインで支払う手数料は、Stay ExtensionおよびRe-entry Visaに関する手数料であり、オーバーステイ罰金やFRC関連費用は含まれません。申請時点で有効なFRCを保有している場合は申請に添付し、保有していない場合はシール貼付前にFRC手続が必要となる場合があります。
なお、eStay Extensionの対象、必要書類、申請可能時期、手数料、オンライン対象外となるケース等は変更される可能性があるため、実際の申請前には最新のオンラインポータルおよび現地当局の運用を確認してください。
9. 外国人登録証(FRC)
ミャンマーに90日以上滞在する外国人は、外国人登録証(FRC:Foreigner Registration Certificate)の取得が必要となる場合があります。
FRCの一般的な手続の流れは以下のとおりです。
- 申請書類の準備
- 入国管理当局への申請
- FRCの受領
FRCは、長期滞在、在留許可、再入国ビザ申請に関連して重要な書類となります。実務上、90日に到達する前は申請を受け付けてもらえない場合もありますが、ミャンマー国内でビザ延長を行う場合には、滞在許可手続の前後でFRC取得を求められることがあります。
FRCの有効期限は、実務上、毎年11月末までとされ、更新手続が必要です。更新時期、更新費用、遅延時の取扱いは運用により変更される可能性があるため、現地入国管理当局で最新情報を確認してください。
18歳未満の子どもについては、親のFRCに記載される取扱いとなる場合があります。
10. Stay PermitとRe-entry Visaの見方
ミャンマー国内で在留許可および再入国ビザが発行された場合、パスポートにシールが貼付されます。
一般に、以下のように区別されます。
- Type S
- Stay Permitを意味する
- ミャンマー国内での滞在許可期間を示す
- Type W/Entries MJSRV
- Multiple Journey Special Re-entry Visaを意味する
- 在留許可期間中の出国・再入国を可能にする
Stay PermitとRe-entry Visaで有効開始日または有効期限が異なる場合があります。次回更新時には、原則としていずれか短い期限を基準に更新準備を行う必要があります。
11. 申請時期と実務上の注意点
ビザ延長、在留許可、再入国ビザの取得には、書類準備、会社側資料の確認、税務資料、DICAまたは関係当局の推薦状、入国管理当局での手続等が関係します。
従来、全ての手続完了まで約2か月程度を要する場合があったため、シングル商務ビザで入国した場合には、入国後早めに延長準備を開始することが推奨されます。
現在はeStay Extensionによりオンライン申請が可能となっていますが、会社資料、FRC、推薦状、パスポート原本へのシール貼付等が関係するため、単にオンライン申請だけで完結しない場合があります。申請期限、事前申請可能時期、必要書類、本人出頭の要否、支払方法は最新運用を確認してください。
12. 手数料
在留許可および再入国ビザの手数料については、過去には以下のような料金が実務上用いられていました。
- Stay Permit 6か月:100USD
- Stay Permit 1年:200USD
- Re-entry Visa シングル:100USD
- Re-entry Visa マルチプル:200USD
ただし、2025年以降、オンライン化および手数料変更の情報があり、現行の公的料金は申請時点で確認する必要があります。オンライン支払の場合、Visa、Mastercard、JCB等による決済が利用されることがあります。現地窓口での支払が必要となる場合、米ドル紙幣の状態について非常に厳格に確認される可能性があるため、新札または状態の良い紙幣を準備することが望ましいです。
13. 労働許可について
ミャンマーでは、一般的な会社法上の会社に勤務する外国人について、タイのWork Permitのような独立した労働許可証制度は一般的ではありません。
そのため、商務ビザまたは就労関連ビザで入国し、必要に応じてStay PermitおよびRe-entry Visaを取得・更新することにより、就労目的での滞在を継続することが一般的です。
ただし、以下のような場合には、追加の当局手続、推薦状、許認可が必要となる可能性があります。
- 経済特区内で勤務する場合
- MIC認可企業に勤務する場合
- 政府機関またはODA関連プロジェクトに従事する場合
- 特定の許認可業種に従事する場合
- 教育、報道、宗教、研究等の特定目的で滞在する場合
実際の就労可否は、ビザの種類、滞在目的、雇用先、勤務地、業務内容、関連許認可により判断されるため、赴任前に確認が必要です。
14. 渡航前チェックリスト
ミャンマー渡航前には、少なくとも以下を確認してください。
- 渡航目的に合ったビザを選択しているか
- パスポートの残存有効期間が6か月以上あるか
- 未使用の査証ページが十分にあるか
- 観光、商務、就労、会議、研究等の目的がビザ種類と一致しているか
- 招聘状、会社登記証、会社推薦状等の必要書類が準備できているか
- E-Visaの場合、承認レターを印刷して携行するか
- 到着時ビザの場合、対象国・対象空港・必要書類・運用期間を確認したか
- ホテル予約票、復路航空券、滞在先住所を提示できるか
- 長期滞在の場合、入国後のStay Permit、Re-entry Visa、FRCの準備をしているか
- 出国・再入国予定がある場合、Re-entry Visaの取得要否を確認しているか
- 治安情報、危険情報、航空便、入国制限、国内移動制限を確認しているか
15. 現地最終確認事項
本章のうち、以下の項目は現地運用または当局料金に依存するため、実際の申請前に現地での最終確認が必要です。
- 到着時観光ビザの試行運用が継続しているか
- 到着時観光ビザの対象空港・対象国・必要書類に変更がないか
- 大使館ビザの最新料金、必要書類、予約制・郵送申請の可否
- E-Visaの対象入国地点、処理期間、必要書類
- 観光Express Visaの有無
- 商務到着時ビザの取得可否、必要書類、実務上の発給可能性
- Stay PermitおよびRe-entry Visaの最新手数料
- eStay Extensionの対象者、対象ビザ、申請可能時期、オンライン申請の実務
- FRCの最新手数料、更新期限、遅延時の取扱い
- 初回・2回目以降のStay Permit/Re-entry Visaの発給期間の実態
16. 参照先
- 在東京ミャンマー大使館
- ミャンマー入国管理・人口省 E-Visa公式サイト
- ミャンマー外務省
- ミャンマー観光省
- 在ミャンマー日本国大使館
- 外務省海外安全ホームページ
ビザ制度は変更が多いため、実際の渡航・申請前には、上記の公的機関または現地専門家に最新情報を確認してください。
