税務
ミャンマー 第8章(税務)完全版
最終更新:2026年8月 / 連邦税法(UTL)2026基準
インデックス
- ミャンマーにおける税務の概要
- 1.1 ミャンマーの租税法
- 1.2 徴税主体と税目
- 1.3 課税年度
- 1.4 税務署の管轄区分
- 1.5 申告方式
- 個人所得税
- 2.1 納税者区分
- 2.2 課税所得の範囲
- 2.3 ミャンマーにおける所得税額の計算
- 2.4 所得控除
- 2.5 税率
- 2.6 源泉不明所得
- 2.7 非課税枠
- 2.8 申告・納付手続き
- 商業税
- 3.1 商業税の歴史と背景
- 3.2 商業税の適用範囲
- 3.3 税率
- 3.4 申告および納税のプロセス
1. ミャンマーにおける税務の概要
1.1 ミャンマーの租税法
ミャンマービジネスに関係する税法と制定年
名称 | 英文名称 | 制定/改正年度 |
|---|---|---|
所得税法 | Income Tax Law | 1974~直近の改正は2023 |
連邦税法 | Union Tax Law | 2014~毎年度更新される |
租税管理法 | Tax Administration Law | 2019 |
商業税法 | Commercial Tax Law | 1990~直近の改正は2023 |
印紙税法 | Myanmar Stamp Act | 1899~直近の改正は2019 |
特別物品税法 | Special Goods Tax Law | 2016 |
土地税法 | Land Tax Act | 2019 |
不動産取引税法 | Property Transfer Tax Law | 2019 |
外国人投資法 | Foreign Investment Law | 2012~直近の改正は2016 |
関税法 | Tariff Law | 1992 |
海上関税法 | Sea Customs Act | 2018 |
陸上関税法 | Land Customs Act | 2015 |
租税条約 | Double Taxation Avoidance Agreements | 1977~各国ごとに異なる |
ミャンマーでは、近代から長らく1974年所得税条例(Income Tax Ordinance,1974)が税法の根拠法として適用されていました。同法では、個人所得税と法人所得税ともに「所得税」として規定しており、所得税の適用範囲が個人所得税と法人所得税に明確に区分されていませんでした。
2011年の民政移管後、一連の法改正の中で、税法に関しても大きく変更が加えられ、所得税法(Income Tax Law, 2011)、連邦税法(Union Tax Law, 2014~)、租税管理法(Tax Administration Law, 2019)などが制定されました。このうち、連邦税法は税率の変更を反映させる法律として、概ね毎年の会計年度開始時に更新されています。
1.2 徴税主体と税目
ミャンマーの徴税主体としては、内国歳入局(Internal Revenue Department: IRD)、関税局(Customs Department)、および都市開発委員会(City Development Committees)があり、それぞれ異なる種類の税金を徴収しています。 以下に、各機関が徴収する主な税金を説明します。
徴税区分 | 徴税主体 | 税目 | 税務区分 |
|---|---|---|---|
国税 | 内国歳入局(Internal Revenue Department: IRD) | 所得税 (Income Tax) | 直接税 |
商業税 (Commercial Tax) | 間接税 | ||
特別商品税 (Special Goods Tax) | 間接税 | ||
印紙税 (Stamp Duty) | 間接税 | ||
土地税 (Land Tax) | 直接税 | ||
不動産取引税 (Property Transfer Tax) | 直接税 | ||
国税 | 関税局(Customs Department) | 輸入関税 (Import Duty) | 間接税 |
輸出関税 (Export Duty) | 間接税 | ||
消費税 (Excise Duty) | 間接税 | ||
その他の通関手数料 (Other Customs Fees) | 間接税 | ||
地方税 | 都市開発委員会(City Development Committee) | 不動産税 (Property Tax) | 直接税 |
清掃税 (Sanitation Tax) | 間接税 | ||
看板税 (Billboard Tax) | 間接税 | ||
その他の都市サービス手数料 (Other City Service Fees) | 間接税 |
ミャンマーにおける「税金」は、「公的機関がその権威を以って徴収する金銭」という意味であり、ビルマ語においても電気代、水道代などという言葉に「税金」という単語が使用されます。
日本と同様、ミャンマーの税目も国税と地方税に区分できますが、割合として多くを占めるのは、計画財務省(The Ministry of Planning and Finance)の管轄する国税です。
国税は、概念的に以下のような分類が可能です:
- ①国内の生産・消費に対して課される税
- ②所得や所有に対して課される税
- ③物品の輸入取引
- ④国の資産を利用したことに対して課される税
①には商業税や物品税が、②には法人所得税や個人所得税が該当し、③には関税、④には土地利用税や水資源税、森林税等がそれぞれ該当します。
また、税目は徴収・負担の方法により、「直接税」と「間接税」に区分できます。
直接税とは、税金を納める義務がある納税義務者と、税金を実際に負担する者が同じである税金をいいます。法人所得税、個人所得税などがこれに該当します。
間接税とは、直接税と異なり、税金を納める人と実際に負担する人が異なる税金をいいます。税金の負担者が直接ではなく他の納税義務者を通じて間接的に国に税金を納付するため、間接税と呼ばれます。ミャンマーでは、商業税、関税、特別物品税などがこれに該当します。
1.3 課税年度
課税年度の変遷 | 年度末 | 注 |
|---|---|---|
2022年4月~現在 | 3月末 | |
2021年10月~2022年3月 | 3月末 | 移行年度Mini-Budget Year |
2019年10月~2021年9月 | 9月末 | クーデター発生年 |
2019年4月~2019年9月 | 9月末 | 移行年度Mini-Budget Year |
民政化~2019年3月 | 3月末 |
ミャンマーの税務上の課税年度は、法人についても個人についても、4月1日から翌年の3月31日までとなっています。
これまで、それぞれ2019年と2021年にそれぞれ課税年度の変更が行われ、Mini-Budget Yearという半年だけの移行年度が発生、累進課税のものについては、課税所得を2倍にして計算し、最終税額を半額にして納税額とするなど、特殊な規則が適用されました。
ミャンマー会社法上は、会計年度に関する規定は存在せず、会計基準等に準拠して会計帳簿の整備および財務諸表の作成が求められています(会社法第257条(a))。この点、一見すると会社定款に規定することで、会計年度末を任意で設定できるものとも読み取れますが、ミャンマー会計審議会法(Myanmar Accountancy Council Law)およびその他関連法の順守も求められていることから、内国歳入局(Internal Revenue Department)の課税年度の告示についても順守すべきで、実務上は任意の設定は認められないものと解釈されています。
1.4 税務署の管轄区分
通称 | 英文名称 | 対象区分 |
|---|---|---|
LTO | Large Taxpayer Office | 主に規模の大きい特定事業 |
MTO-1 | Medium Taxpayer Office 1 | LTO対象外で規模の大きい事業 |
MTO-2 | Medium Taxpayer Office 2 | LTO/MTO-1対象外の外資企業 |
MTO-3 | Medium Taxpayer Office 3 | 同上、ヤンゴン所在のミャンマー企業 |
MTO-4 | Medium Taxpayer Office 4 | 同上、設立日が2019年4月1日以降の場合 |
MTO-5 | Medium Taxpayer Office 5 | 同上、登記住所がネピドー、マンダレー、サガインの場合 |
TRO | Township Revenue Office | 同上、登記住所がその他の地域の場合 |
税務署(Tax Office)は、計画財務産業省内の内国歳入局下の組織となります。そして、税務署自体にも区分があります。
2017年より実施された税務改革(Tax Reform)によって、各区分の納税者に対応するべく、各税務署の区分が設けられました。
LTO (Large Taxpayer Office)およびMTO-1,2,3,4,5 (Medium Taxpayer Office-1,2,3,4,5)は、法人関連の税目(法人所得税、商業税)について取り扱う税務署です。原則として、各企業はLTO/MTO-1/MTO-2/MTO-3/MTO-4/MTO-5のいずれかに割り振られることになります。
割り振りの基準については、LTOがその名の通り、大規模企業を扱う税務署となっているほか、以下特定の業種については会社は規模にかかわらずLTOに割り振られます。
- ミャンマーで国内線・国際線の運航をする航空会社
- ミャンマーで国内的または国際的に銀行業、金融業を営む事業体
- 石油・天然ガスの採掘と精製を行う事業体
- 証券取引会社
- 通信事業体
- ティラワ経済特区で投資された事業体
- 内国歳入局長(Director General)により特定された国家事業
なお、経済特区内の企業については、各経済特区内にワンストップサービスセンター(OSSC)が設置され、役所関係の手続を行う窓口が集約されており、実際はそこで手続きを行うことになりますが、OSSC内の税務セクションはLTOの出先という扱いになっています。
そのほかの企業はMTO-1/2/3/4のいずれかに割り振られることになりますが、MTO-1は規模が大きい企業が割り振られ、LTOにもMTO-1にも割り振られなかった企業については、外資企業は全てMTO-2へ、ミャンマー企業はMTO-3/4/5かTownship Revenue Officeへ、それぞれ振り分けられます。
登記住所がヤンゴン管区の企業については、設立日が2019年4月1日より前であればMTO-3、後であればMTO-4に割り振られます。また、登記住所が首都ネピドー、マンダレー管区、サガイン管区の場合は、MTO-5に割り振られます。そのほかの地域については、当地のTownship Revenue Officeに割り振られることになります。
Township Revenue Officeは各タウンシップに設置された税務署で、主に個人所得税の納付や印紙税の手続きを行うこととなります。印紙税の処理については、法定書類の発行者(複数の当事者がいる場合は、いずれからの当事者)の所在するタウンシップのTownship Revenue Officeで処理を行う必要があり、法人についても関係してくるため注意が必要です。
なお、上記振り分けのための規模の判断は、数値基準で一般化されているものではなく、税務署内での裁量によるところが大きくなっています。また、通常は一時的な業績変動などで管轄の税務署が変更となるということもありません。
1.5 申告方式
ミャンマーでは従前、法人関連の税目の方式が賦課課税方式(Official Assessment System:OAS)と申告納税方式(Self-Assessment System:SAS)の2通り併存していました。過去には、LTOおよびMTO-1に割り振られた企業は申告納税方式(SAS)で、MTO-2/3/4/5に割り振られた企業は賦課課税方式(OAS)で、それぞれ申告を行う必要がありましたが、MTO-2もSASへの移行が進められ、2020年10月1日から申告納税方式(SAS)での申告となりました。
賦課課税方式(OAS)と申告納税方式(SAS)の違いに関してですが、いずれも適用される税法は同じであり、あくまで税務申告から税額確定プロセスおよび税務署による更生プロセスについて、対応が異なるというものです。
まず、賦課課税方式(OAS)について、こちらは課税年度末に納税者側が確定申告を行い、その翌会計年度(査定年度(Assessment Year)と呼ばれる)に、税務署による査定(Tax Assessment)を受け、査定の終了後に課税額決定通知(Demand Note)が発行されて、税額が確定されることになります。
一方、申告納税方式(SAS)については、課税年度末に納税者側が確定申告を行い、その申告をもって税額が確定されます。しかしながら、税務署側は税務調査(Tax Inspection)を通じて、書類の不備や損金性の否認などの更生決定を行います。
旧来は、全ての企業がOASの方式で行われていたが、2000年にLTOが創設されたタイミングで、申告納税方式の運用が始まりました。
実務上は、税金納付の手順が異なります。OASの方式では、納付書を税務署に発行してもらい、それをもって納付処理を行うことになりますが、SASの方式では、納税者自らが納付証を作成して、それをもって納付処理を行うことが可能です。
この差異は、納税方式の性質の違いによるものというより、SASへの移行の中で、納税者識別番号(Taxpayer Identification Number:TIN)が創設されたため、この番号と納税金額の紐づけが可能となって、納税者自らの納付手続きが可能となったものと言えます。
一方、OASの方式では、TINの付与はされず、税務署内では整理登録番号(General Index Registration Number:GIR No.)を用いて整理をしているだけであるため、GIR No.に紐づいた納付証を発行してもらい、それをもって納付手続きを行う必要があります。
次に、申告の様式としては、OASでは簡便なものである一方、SASでは詳細な調整項目も記入することが求められるものとなっています。これは、OASの方式では税務査定(Tax Assessment)を経て税額が確定されることになる一方、申告納税方式(SAS)では、納税者側の申告をもって税額を確定させる必要があり、その計算過程や調整項目についても申告書に網羅的に記す必要があるためです。
また、税務調査(Tax Inspection)の有無という点でも異なります。OASでは、毎年度の申告の都度、税務査定(Tax Assessment)を経て税額が確定することになるため、既に税務署のチェック済みと理解されます(ただし、所得隠しなどがあれば、更生手続きは可能です)。SASでは、納税者側の申告をベースに税額が決定されているので、定期的な税務調査(Tax Inspection)の実施が前提となっています。そのため、突発的な税務調査にも対応できるように日々の書類管理や事例収集が必要となってきます。
2. 個人所得税
ミャンマーの個人所得税は、1974年に公布され、2023年に改正された「所得税法(Income Tax Law)」により規定されています。
同法では、個人所得税と法人所得税について明確な区別が行われず、人(Person)、市民(Citizen)、外国人(Foreigner)などという表現が、自然人にも法人にも用いられています。このため、それぞれの規定が個人所得税に該当する規定か、法人所得税に該当する規定か判断する必要があります。一方、税率については年度ごとに更新される連邦税法(Union Tax Law)によって規定されており、所得税(Income Tax)の章に給与所得(Income from salary)の場合とそれ以外で区分されていることから、前者を個人所得税の規定として読み取ることが可能となっています。
2.1 納税者区分
年度内滞在日数183日以上 | 年度内滞在日数183日未満 | |
|---|---|---|
ミャンマー人 | 居住者(居住国民) | 非居住者(非居住国民) |
外国人 | 居住者(居住外国人) | 非居住者(非居住外国人) |
個人所得税を計算する場合、まずその対象となる人が「居住者」であるか「非居住者」であるか、つまりその計算対象者の居住性が問われます。この居住性により、所得税が課税される収入の範囲が異なってきます。
ミャンマーにおける居住者(Resident)とは、一課税年度中、ミャンマー国内に183日以上居住する個人を指します。反対に、一課税年度中、ミャンマー国内に居住する日数が183日未満である個人を非居住者(Non-Resident)と言います。ミャンマー人であるか、外国人であるかとは独立して、居住性が課税対象の所得の範囲を決めることに注意が必要です。
2.2 課税所得の範囲
居住者 | 非居住者 | |
|---|---|---|
国内源泉所得 | 課税 | 課税 |
国外源泉所得 | 課税 | 非課税 |
ミャンマーで税務上の居住者となった場合、給与等をどこで受け取ったかにかかわらず、当該個人に発生した所得のすべてが課税所得として申告・納税の対象となります(全世界所得課税)。
一方、非居住者の場合は国内源泉の所得にのみ課税されることになります。ここで、国内源泉所得とは、以下のいずれかに該当するものを言います:
- ミャンマー国内での職位や職責によって発生した所得
- ミャンマー国内事業所、もしくは事業からの所得
- ミャンマー国内に所在する資産からの所得
例えば、日本人駐在員がミャンマーで税法上の居住者となった場合、日本国内で保有する不動産などから得た家賃収入などについても、ミャンマーで申告・納税を行う対象となります。
2.3 ミャンマーにおける所得税額の計算
ミャンマーにおける個人所得税の計算については、以下の流れで行います。
【所得金額の計算】
所得金額については、以下に掲げる所得区分ごとに、収入金額から控除可能な経費額等を控除して計算します(8条)。
給与所得(9条) 給与所得については、給与、報酬、賞与等の額、及び給与外の手当等が含まれます(9条(a))。これらの額を合計して、給与所得の金額を計算します。2015~2016年の申告時より、会社が負担している場合のフリンジベネフィット(住居、社用車等)については、給与所得に含まず計算をすることが可能になっています。ただし、こうした課税・非課税の別は、個別Notification等で通知されるもので、扱いが統一されていないこともあるため、納税時や申告時には各タウンシップの担当者に確認することが推奨されます。
専門的職業所得(10条) 専門的職業とは、医師看護婦、弁護士、技師、建築家、映像制作、演劇、作家、画家、彫刻家、会計士、監査役、占い師、教師等であり、専門的職業としての役務提供により発生した収入から、その収入を得るために要した費用の額を控除して専門的職業所得を計算します(10条(3)例1)。ただし、個人的な支出などについては収入額から控除することができません。
事業所得(11条) 営む事業による収入及び利益を目的とした投資による収入等の合計額から、それらの収入にかかる経費額等を控除して、事業所得の金額を計算します(11条(a))。ただし、事業者が支出した個人的な費用などは収入額から控除することができません(11条(a)(2))。
資産賃貸所得(12条) 土地及び建物の賃貸による収入額から、その収入にかかる支出及び地方自治体から課される賃貸料等を控除して資産賃貸所得の額を計算します。ただし、資本的支出や個人的な支出、使途が不明瞭な支出などについては収入額から控除することができません。
資産売却所得(キャピタルゲイン) 資産の譲渡や交換による収入額を合計し、そこから譲渡経費を控除して資産売却所得を計算します(12条(a))(14条)。この場合、資産の売却価額については、所得税法施行規則(Income-Tax Rules)に従って計算しなければいけません。居住者は10%、非居住者も10%で計算されます。
雑所得 不動産又は動産(金銭を含む)から生じた収入のうち、その発生源泉を正確に把握する事が困難なものは雑所得とされます(14条)。
その他の所得(14条(A)) 上記のいずれにも該当しない収入額がその他の所得となります。
所得金額の計算にあたっては、その収入額を得るために支出した費用を控除しますが、個人的な支出や使途が不明瞭な支出などについては収入額から控除することはできません(14条(A))。
非課税所得(5条) 所得金額のうち、以下に該当するものは「非課税所得」として、所得税が課税されません。
- 宗教・慈善的機関から受け取った所得
- 宗教・慈善の目的のみに使用される所得
- 地方自治体の所得
- 所得税法施行規則により定められた特定の預金に関連した受取額
- 年金
- 死亡又は障害に対しての補償額
- 保険金
- 資産売却所得、企業からの所得を除く、事業以外からの所得
- 配当金
- 予算執行法により定められた基本手当
- 予算執行法に定められた妻子に関する手当
- 配偶者が受取人となる生命保険割増額
- 規則に定められた準備金に対する出資
2.4 所得控除
項目 | 控除額 |
|---|---|
基礎控除 | 総所得の20%(上限MMK10,000,000) |
配偶者控除 | MMK1,000,000 |
子女控除 | 一人あたりMMK500,000 |
父母控除 | 一人あたりMMK1,000,000 |
生命保険料控除 | 雇用者支払額 |
社会保険料控除 | 従業員側負担額 |
寄付金控除 | 特定の寄付金のみ、その支払額(総所得の25%が限度) |
税務上の居住者の場合、計算した課税所得金額から、規定されている所得控除額を差し引いて課税所得を算定します。
基礎控除(Basic allowance)については居住者である点以外の条件はなく、外国人でも原則として享受することができます。
個人控除(Personal allowance)として定義される配偶者控除、子女控除、父母控除の3項目については、それぞれの家族人員が納税主体である個人と同居していることが条件となります。配偶者控除(Allowance for a spouse)については当該配偶者が就労しておらず、同一年度内に課税所得がない場合のみに適用されます。子女控除(Allowance for a child)は「未婚であること」「課税所得がないこと」「18歳未満または全日制の学校に通学していること」のすべてを満たした子供のみに適用されます。父母控除(Allowance for a parent)は義父・義母を含み、課税所得がない場合のみに適用されます。
生命保険料控除(Allowance for premium for life insurance)は、雇用者が支払った生命保険料で、従業員とその配偶者を対象としたもののみに適用されます。
社会保険料控除(Allowance for social security contribution)は、ミャンマー社会保険庁(Social Security Board: SSB)に対して同一年度内に支払われた社会保険料のうち、従業員側負担分(給与所得の2%、毎月最大MMK6,000、年間で最大MMK72,000)が対象となり、全額課税所得から控除されます。
寄付金控除(Allowance for charitable contributions)は、政府指定の慈善団体、または政府の支援する特定のイベントに対して行った寄付金のみを対象とし、総所得の25%を上限として、課税所得から控除できます。
これらの控除を適用して納税・税務申告を行った際、税務当局から証明書の提出を求められることがあります。それぞれ、個人控除の場合はミャンマー戸籍(Family List)または各国大使館の発行する証明書(Marriage Certificate、Birth Certificateなど)、生命保険料納付証憑、社会保険料納付証憑、寄付金受取証などを提出して対応します。
2.5 税率
段階 | 所得額(MMK) | 給与所得税率 | キャピタルゲイン | 非居住国民 | その他の税率 | |
|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | 2,000,000 | 0% | 10% | 10% | 給与所得に合算 |
2 | 2,000,001 | 10,000,000 | 5% | |||
3 | 10,000,001 | 30,000,000 | 10% | |||
4 | 30,000,001 | 50,000,000 | 15% | |||
5 | 50,000,001 | 70,000,000 | 20% | |||
6 | 70,000,001 | ~ | 25% |
上記により算定した課税所得に法定の税率を乗じて個人所得税額を算出します。所得税法に規定されている個人に対する税率は、納税者の国籍と居住性、収入内容等により規定されています。
給与所得については、会社から受け取る報酬全体を指し、各種手当や取締役報酬などもこちらに算入されます。一方、年金収入、国営宝くじの賞金については、課税所得から除外されます。
キャピタルゲインについては、有価証券を売却した際などに得られた利益として計上される所得ですが、一律10%の税率で申告・納税が必要になります。
その他の外貨収入は、税務上非居住者となっているミャンマー人(非居住国民)についてのみ、キャピタルゲインの場合と同様10%と固定され、それ以外の場合(居住者である場合と、非居住の外国人である場合)は給与所得に算入されることになります。
2.6 源泉不明所得
段階 | 所得額(MMK) | 税率 | |
|---|---|---|---|
1 | 1 | 300,000,000 | 3% |
2 | 300,000,001 | 600,000,000 | 5% |
3 | 600,000,001 | 1,000,000,000 | 10% |
4 | 1,000,000,001 | 3,000,000,000 | 15% |
5 | 3,000,000,001 | ~ | 30% |
雇用者などから送金を受けた給与所得であるなど、納税者が収入の合法的な源泉を説明できない場合の所得を、源泉不明所得(Income of Undisclosed Source)と言います。ミャンマーでは、この源泉不明所得につき、給与所得に対する個人所得税と同様に、累進課税の税率で個人所得税を課しています。源泉不明所得に対する税率は、年度ごとに更新される連邦税法(Union Tax Law)によって規定されます。
2.7 非課税枠
課税年度における課税所得の総額が一定の金額を超えない場合は、個人所得税の課税が免除されます。なお、この場合の課税所得は、各種控除額を適用する前の年間給与・賞与等受け取り金額の総額を指します。
現状、給与所得のみをその収入とする個人の、一課税年度における課税所得がMMK4,800,000以内の場合には、当該個人には個人所得税は課税されません。この非課税枠は、毎年更新される連邦税法により記載されますが、近年、上記の数字から変動はありません。
この場合、法定の税率で計算すれば5%で課税されるべき所得額になっていたとしても、納税の義務はなくなります。ただし、税務上の手続きとしては完全になくなるわけではなく、年度末の確定申告として会社全体の個人所得税を申告する際に、納税額がゼロである点を示す必要があるため、注意が必要です。
2.8 申告・納付手続き
ミャンマーの個人所得税は、前納を原則としており、各月の給与所得に対して、計算された個人所得税の金額を、翌月の15日までに納付することが求められます。翌月15日が休日(土曜、日曜、祝日)に当たる場合は翌営業日が期限になります。社会保険料(Social Security Contribution)も同日が期限となっています。
また、課税年度中にミャンマーで課税所得が発生したすべての納税者は、課税年度終了後3か月以内に、個人所得税の年次申告行わなければなりません。ただし、給与所得のみを有する納税者のについては、雇用者側が年次給与計算書を作成し、その課税年度終了後3か月以内に提出することになっています。
個人所得税の納付に遅延した場合、10%の追徴課税(Fine)と、遅延した日数分の遅延利息(Interest)を支払うことが求められます。ただし、遅延利息に関してはTax Administration Lawで規定されたものの、現状利率など詳細が発表されておらず、運用は確認されていません。
個人所得税の納付は長らく、税務署Tax Officeの発行する納付書Tax Challanを受け取ったうえで、国営銀行MEB(Myanma Economic Bank)へ現金納付、または銀行送金する方法が原則でしたが、2019年からは内国歳入局IRDのポータルサイトでMPUカード(Myanmar Payment Union Card)での支払いが可能となり、納付期限当日の23時59分まで、納付が受け付けられるようになっています。
2.8.1 納付実務
オンラインでの個人所得税の納付時には、当局のフォーマットに記入する形で、「PAYE」(「Pay As You Earn」から)と呼ばれるフォーム(Microsoft Excelフォーマット)を提出する必要があり、こちらにNRC(IDカード)番号や住所など個人の情報と合わせて、所得や控除の金額、納税額を記載します。オンライン納税が完了すると、翌営業日(またはその翌々営業日)には納付時に記入したメールアドレスに、納税を受け付けた証明としてPDFファイルの納税証明書(Tax Payment Certificate)が送られてきます。
一方、国営銀行MEBへの納付の場合は、申請書(Application Letter)、個人所得税計算書(Calculation Sheet)、およびForm 15(PaTaKha(WaNga)-15)を提出して押印済みの納付書Tax Challanを入手、国営銀行MEBで納付を行った後に同Tax Challanに納税確認の印章を取り付け、一部を原本証憑として持ち帰るという手続きとなります。
2.8.2 申告実務
個人所得税の申告は原則として、年に一度、課税年度末から3か月以内に実行することが必要となります。
原則としては、申請書(Application Letter)、個人所得税計算書(Calculation Sheet)、およびForm 16(A)(PaTaKha(WaNga)-16(Ka))を提出し、納税金額に不足があれば納付書Tax Challanを受け取って支払いの手続きをします。
一方、2023年からは月次の納税の後にもオンラインでの納税証明書(Tax Payment Certificate)およびPAYEフォームの情報を入力することが義務付けられ、実質的には月次の申告となっています。ただし、法律上は月次で申告をする義務があるとは規定されていないため、こちらは税務当局のデータ管理の一環と考えられます。
年次の申告もオンラインで実行が可能となっており、紙面で提出することが求められていた上記の資料(申請書、個人所得税計算書、Form 16(A))を、それぞれPDFファイルのデータとして提出することとなります。
なお、申告書に誤りがあった場合には、追徴などの課税が行われるまで、再度申告書を提出することができます。また、事業の中断など、所得の発生がなくなる場合には、中断後1か月以内に申請書を税務署に提出する必要があると定められています。
3. 商業税
ミャンマーの商業税(Commercial Tax)は、諸外国で付加価値税(Value Added Tax: VAT)や物品サービス税(Goods and Service Tax: GST)などと呼ばれることの多い、間接税(Indirect Tax)に相当する税目です。
他国の間接税と比較して、仕入税額控除の適用(=Input CTによる税額の相殺)にいくつか特徴的な条件があること、特定のセクターで免税になることなどが、ミャンマーの商業税の特徴と言えます。
3.1 商業税の歴史と背景
商業税は歴史的に、特定の消費品に対して課税を行った1949年の消費税法令(Consumption Tax Ordinance)をその前身として持ち、その後1976年の物品税およびサービス税(Goods and Services Tax)が導入され、1976年から1988年にかけて商業活動全般に対する課税が行われた後に、商業税法に統合されるという変遷を経ています。現在の1990年商業税法による商業税は、国産品に限らず輸入品や法令に定められているサービスを対象に課税されています。
また、2012年の民政移管後、外国資本を誘致し国内の経済成長を実現するため、一部の税率を変更し、また商業税の対象を明確にする形で、2015年に商業税法が改正され、同年度より適用されています。その後、2023年にも改正が行われています(第1.1表参照)。⚠️【要現地確認:商業税法の直近改正年(2023年)と2015年改正の関係について整合的な記述とするため、現地での確認をお願いします】
3.2 商業税の適用範囲
3.2.1 課税対象
ミャンマーで事業活動を行う場合には、商業税の納付が義務付けられます。商業税は付加価値税であるため、商品の仕入時に支払った商業税額は、売上時に課税される商業税額から控除することができます。したがって、実質的に最終消費者が税負担を行うこととなります。また、事業者においては、中間投入材や外部委託などを除いた純粋に自社で生み出した付加価値分のみ課税される形になります。
課税対象となるのは、ミャンマー国内で生産または販売される商品やサービスで、一部の基本的な食品や公共サービスは非課税となっています。
3.2.2 納税者
年間売上がMMK 50,000,000未満の企業は商業税の対象外となり、登録の義務を免れます。この基準を超えた場合、売上全体に対して商業税が課されることになります。以下の者に対し、商業税の納税義務が課せられています。
- 輸入業者(個人)
- 製造業者(個人)
- 一定種のサービス提供者(貿易、輸送を行う個人、ホテルやレストランなどを営む個人)
- 法人企業
- 事業団体・合弁会社
【課税対象となる最低売上額】
商業税は、協同組合及び民間事業会社においては、年間総売上が課税対象の最低額のKs.50,000,000に満たない場合には、課税されません。
納税義務者は、各地区(Township)の税務署に商業税納税者登録を行う義務があります。また、登録申請は事業開始の1か月前までに行わなければなりません。
3.2.3 課税対象の商品およびサービス
毎年更新される連邦税法(Union Tax Law)により、商業税には非課税品目が定められています。2026年度(FY2026-2027)現在、物品としては45種類の非課税品目が定められており 、それ以外の物品は原則としてすべて課税対象となります。一方、サービスとしては34種類の非課税品目が定められており、それ以外のサービスは原則としてすべて課税対象となります。
非課税品目一覧表(連邦税法第14条)
■ 物品
種類 | 品目番号と例 |
|---|---|
食品 | 1. 稲、米、砕米、米ぬか、籾殻、小麦、小麦ぬか、トウモロコシ、各種トウモロコシの穀粒 |
2. 各種豆類、各種粉砕豆、豆粉、豆ぬか、豆の鞘、落花生(殻付き・殻なし)、ゴマ、菜種、ピーナッツかす、ゴマかす、米ぬか油などの絞り油 | |
3. ニンニク、玉ねぎ、ジャガイモ、スパイスとして使用される葉、果実、樹皮、種子、マサラ、チリ、チリパウダー、ウコン、ウコンパウダー、生姜、完熟タマリンド、各種塩 | |
4. 各種生鮮果物、野菜 | |
5. 漬物用茶葉、乾燥茶葉、甘茶、各種加工およびパッケージ済みの茶 | |
6. 生鮮魚、生鮮エビ、生鮮肉、鶏卵やアヒル卵などの各種卵 | |
7. ピーナッツ油、ゴマ油 | |
8. 砂糖キビ、砂糖、ジャグリー、黒砂糖、豆乳、ミルクおよび各種乳製品、練乳、無糖練乳、各種粉乳、ヨーグルト | |
9. クリーマー | |
10. 各種魚醤、乾燥魚、各種乾燥エビ、漬け魚、各種漬けエビ、エビパウダー、魚パウダー、各種魚ペースト | |
農産物および畜産物 | 11. 桑の葉、絹の繭 |
12. 生きた動物、魚、エビ、陸生動物、水生動物、両生類、その卵、幼生、稚魚、種苗、水中で育つ植物と種子、芽、藻類および海藻 | |
13. 各種肥料、農業で使用される土壌、化学肥料、各種除草剤、各種ワクチン、農業病害虫予防薬、家畜用スプレー、動物、魚、エビ用薬品とワクチン(農業・畜産灌漑省認定の薬品を含む) | |
14. オイルパームおよびヒマワリの種、綿実、カボチャの種、スイカの種、カシューナッツ、ビンロウジ、純粋な品種、純粋な種子、純粋な苗木 | |
15. 生綿、各種綿、カルダモン、タナカおよびその他の農産物、 coconut油(パーム油を除く) | |
16. コイル糸 | |
17. 木材、竹、原料および仕上げラタン、薪代替の有機材料のブリケット | |
学校および事務用品 | 18. ラック、各種スタンプ(収入印紙を含む) |
19. 国旗 | |
20. 黒板、黒板用鉛筆、チョーク、鉛筆用黒鉛 | |
21. 各種教科書、各種科学技術書、各種ノート、各種描画書、各種ノンフィクション書籍、各種雑誌、ジャーナル、新聞、これらの書籍を作成するための用紙(40gsmから80gsmまで)、各種鉛筆、各種定規、各種消しゴム、各種シャープナー | |
健康関連用品 | 22. 伝統医薬品 |
23. 各種蚊よけ | |
24. ハチミツ、ミツロウ | |
25. X線フィルム、X線機器と付属品、食品医薬品局指定の医療機器と器具、脱脂綿、医療用衣類、包帯、病院で使用する薬品容器、使い捨てマスク、ヘアカバー、手術用手袋、インフルエンザ予防用マスク、家庭用薬品、各種医薬品(FDA登録証明書付きのもの)、伝統医薬品の原料(法律と規則で制限されていないもの) | |
26. コンドーム | |
宗教および福祉関連用品 | 27. 各種数珠(宝石製を除く)、宗教服 |
28. 消防車、捜索救助車、霊柩車 | |
運輸関連用品 | 29. 外国大使館、国連機関、外国外交官向けにエネルギー省が販売する燃料 |
30. 国内および国際便で使用されるジェット燃料 | |
31. 飛行機およびヘリコプター用の機械、機器、スペアパーツ | |
産業用品 | 32. 漂白剤(漂白に使用される次亜塩素酸塩のみ)、洗剤の原料、石鹸の原料、砂石鹸 |
33. ジュートおよびその他の繊維、ラテックス、ステルキュリアガム(ガムカラヤ) | |
34. 農機具、農業機械およびスペアパーツ、トラクター、耕作から収穫、脱穀および乾燥作業までの機械(人力または動物力を併用するものを含む)、ハイブリッド育種に使用する精液、精子、卵子(胚移植および人工授精事業用機器、冷凍精液を含む) | |
35. PVモジュール/ソーラーモジュール/PVパネル/ソーラーパネル/ソーラーパネル92ワットCIGS(銅インジウムガリウムセレン)、PV/ソーラー(ハイブリッド/スマートアレイ)コントローラー、PV/ソーラーインバータ(ストリング/ハイブリッド/バッテリー/双方向/中央)、家庭設置モデル(屋根および地上設置)、PV/ソーラーマウントシステム(浮遊型)、PV/ソーラーコントローラーおよびバッテリーボックス(PV/ソーラーコントローラーおよびバッテリーと一緒に輸入する場合のみ) | |
36. 外国の委託元から直接使用するために送られる原材料や部品(完成品生産のためのもの)、輸出品を梱包するための材料、契約製造システム下で運営する企業が事業ニーズのために使用するが再販売しない機械、機器、およびそのスペアパーツ | |
防衛関連用品 | 37. 国家防衛および治安機関が使用する武器、車両、機器、ツールおよびそのスペアパーツと付属品、民間部門が使用する各種火薬およびダイナマイト(軍司令部の許可を得たものに限る)、防衛省の予算から購入された軍用物資および軍人が消費する物資 |
宝石および鉱物 | 38. ミャンマー政府が主催する宝石展で販売される翡翠、ルビー、サファイア、およびその加工製品 |
39. 原油残渣 | |
一般商品 | 40. 海外への出発便に乗る乗客向けに指定された場所で販売される商品 |
41. 相互主義の原則に基づき、外国大使館やその職員が使用する商品(外務省が提案し、連邦政府および財務省の承認を受けたもの) | |
42. 国連機関が自らの名義で国内または国外で購入した商品 | |
43. 国内外の組織から国家に寄付された資金で購入された商品、または国家から提供された資金で購入された商品 | |
44. 国家のニーズに応じて連邦政府の承認を受けた通知により免除された商品 | |
45. 税関手続に従い、仮入国または還付システムの下で輸入された商品 | |
46. 修理された後、元の状態で再輸入された商品(修理と返還システムに基づく) |
■ サービス
セクター | 品目番号と種類 |
|---|---|
外国セクター | 1. 外国大使館が相互主義の原則に基づいて調達するサービス、またはこれらの大使館のメンバーおよび非外交職員が調達するサービス(外務省の提案と連邦政府および計画財務省の承認による) |
2. 地元の国連機関が組織名義で国内で調達するサービス | |
防衛セクター | 3. 国防省のセキュリティ関連印刷事業の印刷サービス |
宗教および文化セクター | 4. 文化および芸術サービス |
運輸および通信セクター | 5. 駐車場賃貸サービス |
6. 貨物輸送サービス(パイプラインによる輸送を除く) | |
7. 引っ越しサービス | |
8. 道路利用料徴収サービス | |
9. 国内および国際線の乗客輸送サービス | |
10. 公共交通サービス | |
11. 政府が運営する郵便サービス | |
教育および情報セクター | 12. 教育サービス |
13. 書籍、雑誌、定期刊行物、新聞の出版サービス | |
健康セクター | 14. 美容以外の医療サービス |
15. 伝統的マッサージサービス、盲人によるマッサージサービス | |
16. 動物の健康およびケアサービス | |
17. 公共トイレ使用料徴収サービス | |
計画および金融セクター | 18. 生命保険サービス |
19. マイクロファイナンスサービス | |
20. 資本市場サービス | |
21. 銀行が中央銀行の承認を得て行う金融サービス | |
22. 税関サービス | |
23. Aung Bar Lay宝くじサービス | |
社会福祉、救済および再定住セクター | 24. 受け入れおよびケータリングのための設備貸出サービス |
25. 葬儀サービス | |
26. 児童保育サービス | |
産業および電力セクター | 27. 原材料を提供し、完成品を返却するシステムで提供されるサービス |
28. 農業機械化サービス | |
29. 国家電力網に接続されていない地域で電力を供給する小規模電力サービス | |
30. バッテリー電動車両のバッテリー充電サービス | |
一般 | 31. 事業運営権のために国家組織に支払われるライセンス料 |
32. 国家のニーズに応じて、連邦政府の承認を受けた通知によって免除されたサービス | |
33. 国内外の組織から国家に寄付された資金や国家から提供された資金で調達されたサービス | |
34. 国家管理評議会、連邦政府事務所、連邦議会事務所等の部門間で提供されるサービス(国営企業に提供されるもの、および国営企業から調達されるものを除く) |
3.3 税率
物品に対してもサービスに対しても、最も一般的な商業税の税率は5%です。物品については、非課税品目以外に、特別物品税の課税対象となっている嗜好品などがあり、その税率は80%など高額なものとなりますが、ごくごく限定されたそれらの品目を除けば、残りはすべて5%と言うことができます。サービスについては、毎年のように特別税率が適用される対象が増えており、連邦税法の確認が必要です。
2026年度(FY2026-2027)現在、特別な商業税が課されているサービス
サービス種類 | 税率・税額 |
|---|---|
SIMカードの販売、およびこれをアクティベートするサービス | 一回限り MMK 20,000 |
インターネットサービス | 15% |
国有地の長期賃貸、国家との合弁、または民有地の使用、または民有地所有者との合弁を通じて行われたインフラの建設、修理および販売 | 3% |
ホテルおよび観光サービス | 3% |
国内販売または国外からの輸入の場合の金や宝飾品の売上高 ※ただし、国内で金や宝飾品を購入する際または輸入する際に支払った商業税は、国内販売または輸出する際に支払うべき商業税と相殺することはできない。 | 純金・金塊:3% 、宝石・宝飾品: |
■ 非課税及び減額
政府による公示により定められた物品又はサービス、納税者については免税又は商業税の軽減措置の承認を受けることができます。
また、政府によって承認された新規事業については、建設に使用する機械設備の輸入に対して、又は3年を超えない範囲の生産又はサービスに対して免税又は商業税の軽減措置の承認を受けることができます。
関税手続きに従って一時的入国または還付システムの下で輸入された商品が、指定された期間内に再輸出されずに国内で使用された場合、元々免除された商業税を支払うものとする。
計画財務省は、連邦政府の承認を得て、国内外の組織からの寄付、助成金および融資を伴う活動に関連する商業税について、免除または許容を認めることができる。
【商業税の非課税基準額】
協同組合および民間部門において、以下の収益基準を超えない限り、商業税法に基づく商業税は課されないものとする:
区分 | 非課税基準額(年間) |
|---|---|
国内製造および販売 | MMK 50,000,000 |
商業税が課されるサービスの提供 | MMK 50,000,000 】 |
貿易 | MMK 50,000,000 |
税関の迅速配送手続に従って、関税が免除されるべき商品価値の最低基準 | 別途規定 |
電力の輸出には8%の商業税が課され、原油の輸出には5%の商業税が課される。その他の商品輸出の売上高には0%の商業税が課される。商品を購入または製造する際に支払った商業税は、輸出する際に支払うべき商業税から相殺できる。
【輸出課税品目】
品目 | 税率 |
|---|---|
天然ガス | 8% |
チーク材その他の木材と加工品 | 100% |
翡翠、ルビー、サファイア、エメラルド、ダイアモンドその他原石 | |
上記宝石を加工した宝飾品 |
【特別物品税の課税品目】
品目 | 税率(2026年度) |
|---|---|
紙巻たばこ(シガレット) | 120%】 |
その他の各種たばこ製品 | 60% 】 |
各種の酒、ビール、ワイン | 50/60% |
チーク材その他の木材と加工品 | 25% |
翡翠、ルビー、サファイア、エメラルド、ダイアモンドその他原石 | 20% |
上記宝石を加工した宝飾品 | 5% |
1,800cc以上の車両 | 25% |
ガソリン、ディーゼルオイル、航空燃料 | 5% 】 |
天然ガス | 8% |
電気自動車(BEV) | 5% |
3.4 申告および納税のプロセス
輸入時の商業税を除くと、商業税のコンプライアンスは、一般的に以下のようにまとめられます。
コンプライアンス | 対応期限 |
|---|---|
商業税登録(CT Registration) | 事業開始の1か月前。また毎年度開始の1か月前まで(2月末) |
商業税納付(CT Payment) | 課税対象の所得が発生した月の翌月10日まで |
商業税四半期申告(CT Quarterly Return) | 毎四半期につき四半期明けの月の月末まで(7月、10月、1月、4月の各月末) |
商業税確定申告(CT Annual Return) | 毎年度につき翌年度3か月目の月末まで(6月末) |
3.4.1 商業税登録
商業税法第11条、および商業税規則2章(第3条~第8条)により、任意の年度中に課税対象の販売収入を得る事業体、または課税対象のサービス収入を得る事業体は、事業開始の1か月前に所定の用紙を使用して、登録申請をしなければならないとされています。実務上は、IRD(CT) Form 01-01(PaTaKha(KaThaKha)-01-01)というフォームに会社の情報を記載して担当の税務当局(外資企業の場合はLTO、MTO-1、MTO-2のいずれか)に提出し、IRD(CT) Form 01-02(PaTaKha(KaThaKha)-01-02)を入手することになります。その後、毎年の税務年度が開始する1か月前まで(2月末)に同様の更新を行うことになります。
※なお、一般的に事業開始直後に行うTax Registrationはいわゆる税番TINの取得、および法人所得税の登録であり、毎年更新する必要はありません。
3.4.2 商業税納付
輸入時の商業税を除いて、商業税の納付は月次で行われることとされており、その月に発行された請求書をベースに、徴収されるべき商業税金額(Output CT、仮受商業税)を計算し、控除に使用可能な支払い予定の商業税(Input CT、仮払商業税)があればこれを差し引いて、差額分を翌月10日の23時59分までに納税します。なお、この10日がミャンマーの土日・祝日に当たる場合は、翌営業日の23時59分が納税期限となります。
注意が必要なのは、Output CT、Input CTともに、同金額が支払った日、またはインボイスの発行日の、いずれか早い方が計算の根拠となる点です(商業税説明通達2/2018)。これにより、まだ実際に回収が行われていない商業税も支払いが必要になったり、請求書の発行が遅れればOutput CTとInput CTのタイミングがずれて、うまく控除ができなくなったりします。
輸入時の商業税は、通関の申告を行う際、関税の計算と合わせて商業税の計算がなされ、運賃保険料込み条件価格(CIF価格)に乗じて算出された商業税を支払って、支払証明書(PaTaKha(KaThaKha)-05-01)を入手する形になります。
3.4.3 商業税四半期申告
商業税の申告は現在、外国企業であればすべて自主申告方式(Self-Assessment System)によって行われており、2022年1月からは一律、税務当局IRDのポータルサイト上で電子申告することが義務付けられています。申告はそれぞれ、4月~6月、7月~9月、10月~12月、1月~3月の四半期につき7月、10月、1月、4月と、四半期明けの月末23時59分までに実施することとされています。
3.4.4 商業税確定申告
商業税の確定申告は、毎年度につき翌年度3か月目の月末(6月末)までに実施します。
