閉鎖・撤退
撤退
+ .1 .会社の清算及び撤退
現地法人の清算及び撤退
会社を清算する場合には、会社法第5章清算(Winding Up)の規定に従い手続を行わなければなりません。清算の方法として、裁判所による清算、任意清算、裁判所監督による清算の3つの方法が可能であるとされています。
■ 裁判所による清算
以下のような場合、裁判所による清算が行われます(241条)。
・ 株主総会特別決議によって裁判所による清算を行うことを決議した場合
・ 法的報告義務を怠った場合
・ 1年以上の期間に渡り事業が行われなかった場合
・ 最低株主数を下回った場合
・ 債務の弁済が不可となった場合
・ その他裁判所が認めた場合
裁判所による清算手続の流れは、以下の通りです。
[裁判所への申請(245 条)]… ①
会社、債権者、株主は、嘆願書を提出することにより、裁判所へ清算の申請を行います。
[登記局への通知(252 条)]… ②
清算の申請後30日以内に、申請者は嘆願書のコピーを登記局に提出しなければなりません。
[清算人の選任(255 条)]… ③
清算人とは、会社の業務を整理し、債務の清算、資産の分配を行う者を指します。裁判所は、破産管財人以外の者を任命することができます。
[資産負債表を清算人へ提出(258 条)]… ④
裁判所は、会社の資産や債務、債権者の詳細を記載した報告書を作成して清算人に提出します。
[裁判所への仮報告書の提出(259 条)]… ⑤
上記報告書を受け取ってから120日以内、または解散要求から160日以内に(裁判所が要求する場合はただちに)、清算人は裁判所に会社資産、債務についての仮報告書を提出する必要があります。
[債権者集会の招集(261 条)]… ⑥
会社の解散命令日から1カ月以内に、清算人は債権者集会を招集しなければなりません。
[会社の解散(277 条)]… ⑦
清算手続が終了した後、会社は解散します。15日以内に清算人は登記局に報告しなければなりません。
■ 株主による任意清算
株主による清算手続の流れは以下の通りです。
[清算の開始(287 条)]… ①
任意清算は、株主総会特別決議が通過した時点で開始されます。
[官報及び新聞公告(289 条)]… ②
決議の日から10日以内に、官報(Official Gazette)及び登記住所の属する地域の新聞紙へ公告しなければなりません。公告を怠った場合、1日当たり100タカ以上の罰金が科されることになります。
[債務支払の宣誓書(290 条)]… ③
取締役(会)は、清算開始から3年以内に債務を支払うことができるという宣誓書を作成します。この宣誓書は監査人の証明書によって保証され、登記局に登録しなければなりません。
[清算人の選任(292 条)]… ④
株主総会で清算人を選任します。この時点で取締役の権限は失われます(清算人、株主総会の許可がある場合を除く)。
[各年度末の株主総会(295 条)]… ⑤
清算期間が1年以上に渡る場合、清算人は、清算開始日から1年以内及びその後毎年、株主総会を開催しなければなりません。
[最終株主総会と解散(296 条)]… ⑥
清算手続が完了した後、清算人は、資産の処分状況等を記載した清算処理の報告書を作成の上、株主総会を開催して清算の内容を発表する必要があります。株主総会は、開催日の1カ月以上前に通知しなければなりません。
株主総会開催日後1週間以内に報告書のコピーと株主総会議事録を登記局に提出します。登記局はすぐに登録を行い、3カ月が経過した時点で会社は解散されたものとみなされます。
■ 債権者による任意清算
債権者による清算手続の流れは以下の通りです。
[株主総会の特別決議(287 条)]… ①
任意清算は、株主総会特別決議が通過した時点で開始されます。
[債権者集会(298 条)]… ②
会社は、債権者集会を開かなければなりません。取締役は、債権者集会の前に会社の状況、債権者リスト、債権額を記載した文書を作成しなければなりません。
[官報及び新聞公告(298 条2 項)]…③
決議の日から10日以内に、官報(Official Gazette)及び登記住所の属する地域の新聞紙へ公告しなければなりません。公告を怠る場合、1日当たり100タカ以上の罰金が科せられることになります。
[清算人の選任(299 条)]…④
会社及び債権者は清算人を任命することができます。株主総会と債権者集会で別の者を選任した場合には、債権者集会で任命された者が清算人となります。
[調査委員会の任命(300 条)]… ⑤
債権者集会において、調査委員会を任命することができます。
[株主総会、債権者集会の招集(304 条)]… ⑥
清算期間が1年以上に渡る場合、清算人は、清算開始日から1年以内及びその後毎年、株主総会及び債権者集会を開催しなければなりません。開催できない場合は、500タカを上限に罰金を科されます。
[最終株主総会、債権者集会と解散(305 条)]… ⑦
清算手続が完了した後、清算人は、資産の処分状況等を記載した清算処理の報告書を作成の上、株主総会、債権者集会を開催して清算の内容を発表する必要があります。株主総会は、開催日の1カ月以上前に通知しなければなりません。
株主総会開催日後1週間以内に報告書のコピーと株主総会議事録を登記局に提出します。登記局はすぐに登録を行い、3カ月が経過した時点で会社は解散されたものとみなされます。
支店及び駐在員事務所の閉鎖
■ 支店
支店の閉鎖は主に以下の目的で行われます。
・現地法人化(外国支店では行えない産業への投資)
・工期完了による事務所閉鎖
また閉鎖にあたり、以下の手続きが必要になります。
(1)新聞の公示
事務所閉鎖の3ヵ月前に行う必要があります。
(2)駐在員の就労許可キャンセル
支店が閉鎖されるので、閉鎖日もしくは閉鎖日よりも前の日付での就労許可キャンセルが必要となります。
(3)支店閉鎖日までの法定監査
支店閉鎖日までの法定監査が必要となります。税金を含めた負債が整理され、未払がない状態となっている必要があります。
(4)支店閉鎖日までの税務申告
税法89条に基づき、支店閉鎖日までの税務申告を行う必要があります。税務申告の際には、(3)の監査報告書が必要となります。
(5)投資庁への支店閉鎖申請
(1)~(4)の書類及び親会社の支店閉鎖決議の議事録を添付し、投資庁に申請を行う必要があります。
(6)銀行口座残高の送金と銀行口座閉鎖
(5)の投資庁からの支店閉鎖手続きが完了後、中央銀行に対して国外送金の許可を取得します。送金後、銀行口座は閉鎖されます。
■ 駐在員事務所
駐在員事務所の閉鎖は主に以下の目的で行われます。
・現地法人化(市場調査後の現地法人設立)
また閉鎖にあたり、以下の手続きが必要になります。(支店閉鎖プロセスと同様)
(1)新聞の公示
事務所閉鎖の3ヵ月前に行う必要があります。
(2)駐在員の就労許可キャンセル
駐在員事務所が閉鎖されるので、閉鎖日もしくは閉鎖日よりも前の日付での就労許可キャンセルが必要となります。
(3)駐在員事務所閉鎖日までの法定監査
駐在員事務所閉鎖日までの法定監査が必要となります。税金を含めた負債が整理され、未払がない状態となっている必要があります。
(4)駐在員事務所閉鎖日までの税務申告
税法89条に基づき、駐在員事務所閉鎖日までの税務申告を行う必要があります。税務申告の際には、(3)の監査報告書が必要となります。
(5)投資庁への駐在員事務所閉鎖申請
(1)~(4)の書類及び親会社の支店閉鎖決議の議事録を添付し、投資庁に申請を行う必要があります。
(6)銀行口座残高の送金と銀行口座閉鎖
(5)の投資庁からの駐在員事務所閉鎖手続きが完了後、中央銀行に対して国外送金の許可を取得します。送金後、銀行口座は閉鎖されます。
■ 注意事項
支店もしくは駐在員事務所から現地法人に登記変更を行うことはできません。支店もしくは駐在員事務所の閉鎖と現地法人の設立プロセスは別々に行う必要があります。別々に行う必要があるため、支店もしくは駐在員事務所の閉鎖と新法人設立のプロセスは、同じタイミングで行うことが可能です。
+ .2 .参考文献
参考文献
・ The Companies Act( Bangladesh), 1994
・ BIDA Guideline in Bangladesh
・ Registrar of Joint Stock Companies and Firms
