① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 投資登録証明書(IRC)と企業登録証明書(ERC)の取得、税務の登録、会計方針の登録、資本金の口座の開設と払込み、業種の許認可 |
| 毎月・四半期 | 記帳、VAT の申告(月次か四半期)、給与の個人所得税の源泉(月次か四半期)、法人税の予定納税(四半期)、外国契約者税、給与計算、社会保険の納付(毎月)、労働組合費の納付(毎月)、投資プロジェクトの実施状況の報告(四半期) |
| 毎年 | 監査、法人税の確定申告、移転価格の開示・文書、監査済み財務諸表の提出、社員総会・株主総会、労働報告(年2回)、個人所得税の年次の精算、投資プロジェクトの実施状況の報告(半期・年次)、全従業員の健康診断 |
ベトナムでは、外資が1%でも入っている会社は、規模にかかわらず、すべて監査を受けなければなりません。しかも監査・法人税の確定申告・財務諸表の提出が、すべて決算日から90日以内に重なります。(出典:書籍「ベトナム 会計」、Q&A「日本法人の出資は50%に満たない出資比率の合弁会社ですが、…」)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと
毎月・四半期
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 付加価値税(VAT)の申告・納付 | 月次は翌月20日/四半期は翌四半期の最初の月の末日 | VAT の納税者(前年の売上が500億ドン以下なら四半期を選べる。2026年7月からの政令252/2026 でも同じ) | 書籍「ベトナム 税務」、Q&A「VATの申告は年に一度ですか?」 |
| 給与の個人所得税の源泉(申告・納付) | 原則月次・翌月20日/四半期を選んだ場合は翌四半期の最初の月の末日(VAT と同じ基準で四半期を選べる)。2026年5〜9月分は政令245/2026 で納付の延長あり(最長5か月) | 給与を払う会社 | 政令252/2026(2026年7月1日から。政令126/2020 に代わる)。書籍「ベトナム 税務」の「原則四半期」は旧制度(通達156/2013) |
| 法人税の予定納税 | 翌四半期の最初の月の末日まで(申告書は不要。4四半期の合計が年税額の80%に満たないと延滞利息) | すべての法人 | 政令91/2022・政令252/2026(PwC・KPMG 2026-07・Grant Thornton)、書籍「ベトナム 税務」、Q&A「中間納付、予定納税は必要ですか?」 |
| 外国契約者税(海外の会社への支払いにかかる税)の申告・納付 | 月次は翌月20日/都度の場合は義務が生じた日の翌日から10日目まで(暦日) | 海外の会社に対価を払う会社 | 書籍「ベトナム 税務」、政令252/2026 |
| 社会保険・失業保険の納付 | 翌月の末日まで | 従業員を雇うすべての会社 | 社会保険法(2025-07-01 施行)(KPMG 2024・Vietnam Briefing 2025-11-19) |
| 健康保険の納付 | 翌月の末日(毎月納める場合。社会保険と同じ) | 従業員を雇うすべての会社 | 健康保険法(2024年の改正法 51/2024/QH15。2025年7月1日から) |
| 労働組合費の納付 | 翌月の末日まで。社会保険の対象の給与総額の2%。労働組合が無くても払う | 従業員を雇うすべての会社 | 政令105/2026(2026-05-16 施行)(LuatVietnam) |
| 投資プロジェクトの実施状況の報告 | 四半期は翌月10日/半期は7月10日/年次は翌年2月10日。国の投資監督システムから出す。怠ると罰金2,000万〜3,000万ドン | 投資プロジェクトを持つ会社(外資の会社) | 2026-03-31 からの新制度(Apolat 2026-05-20・Mercator 2026-06-30) |
毎年(12月決算の場合)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 監査 | 決算日から90日以内(12月決算なら3月末) | 外資が入っている会社(すべて) | 書籍「ベトナム 会計」 |
| 法人税の確定申告・納付 | 決算日から90日以内 | すべての法人(免税期間中・赤字でも) | 書籍「ベトナム 税務」・「ベトナム 会計」、Q&A「年度末法人税申告の手続きについて教えてください。」 |
| 移転価格:関連者取引の開示フォームの添付/ローカルファイルの作成 | 開示フォームは法人税の確定申告に添付/ローカルファイルは申告期限までに作成 | 関連者と取引がある会社 | 政令20/2025(新様式)(PwC 2025・Baker McKenzie) |
| 監査済み財務諸表の提出(投資登録の機関・財務省・統計局・税務署) | 決算日から90日以内 | すべての会社 | 書籍「ベトナム 会計」、Q&A「監査報告書を受け取ってからどのような手続きが必要でしょうか?」 |
| 株主総会(株式会社) | 決算日から4か月以内(延長しても6か月まで) | 株式会社 | 書籍「ベトナム 会社法」、Q&A「株主総会の種類について教えてください。」 |
| 社員総会(有限会社) | 毎年1回以上 | 有限会社 | 書籍「ベトナム 会社法」 |
| 労働報告 | 年2回(6月5日・12月5日まで)。従業員がいなくても提出 | すべての会社 | Q&A「労働報告書は社員を雇用していなくても提出が必要ですか。…」 |
| 給与の個人所得税の年次の精算 | 会社が行う精算は3月31日まで(暦年末から3か月目の末日)。個人が自分で行う精算は4月30日まで | 給与を払う会社 | 書籍「ベトナム 税務」、公表資料(KPMG 2026年7月・LuatVietnam) |
| 全従業員の健康診断 | 年1回 | 従業員を雇うすべての会社 | Q&A「健康診断および人間ドックの費用を会社負担とした場合、…」 |
| 会計帳簿・証憑の保存 | 書類の種類により 5年・10年・永久(財務諸表の作成に直接使う帳簿・監査報告書は10年) | すべての会社 | 書籍「ベトナム 会計」、Q&A「会計帳簿は何年間保存する義務があるのでしょうか?」 |
そのほかの決まり(設立したとき・変更があったとき・人数が増えたとき)
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 税務の登録(納税者番号) | 企業登録と同時(企業コードがそのまま納税者番号になる。別の届出は要らない) | 書籍「ベトナム 設立」、税務管理法(108/2025/QH15)10条 |
| 会計方針の登録 | 企業登録証明書の取得から原則10日以内 | Q&A「設立後の会計方針の登録に関して教えてください」 |
| 資本金の払込み | 企業登録証明書の発行から90日以内(全額) | 書籍「ベトナム 設立」、Q&A「銀行口座開設・資本金の振込手続きに関して教えてください。」 |
| 取締役(法定代理人)の変更の届出 | 変更から約10日以内 | Q&A「取締役変更の際の流れを教えてください。」 |
| 就業規則の作成と労働局への登録 | 常時10人以上を雇うようになったら | 書籍「ベトナム 労務」 |
| 労働許可証の申請/返却 | 勤務開始の60日前〜10日前に申請/失効日から15日以内に返却 | 政令219/2025(Apolat・VCI Legal)。書籍「ベトナム 労務」の「15営業日前」は古い |
| 駐在員の帰任時の個人所得税の確定申告 | 出国の前に精算する(遅くとも労働契約の終了から45日以内) | 書籍「ベトナム 税務」、政令252/2026 |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。帳簿・就業規則・提出する監査報告書はベトナム語が必要で、インボイスは電子インボイスに全面移行しています。日本の本社に担当者がいない会社の多くは、記帳から申告・報告までをまとめて委託しています。
③ 設立の費用:法律上の下限と、実際に必要な額は違います
| 何の基準か | 書籍にある記述 | 出典 |
|---|---|---|
| 最低資本金 | 一部の業種を除き、定めなし。ただし資本金ゼロでは投資許可を取れない。親会社の預金を上回る資本金は、当局から指摘を受けることがある | 書籍「ベトナム 投資環境」 |
- 最低資本金が無いことは、「少ない資本金で設立できる」という意味ではありません。業種によっては、法令の定めが無くても実務上ある程度の資本金が求められます。御社の業種での見込みは面談で確認します
- 投資登録証明書は、書類を出してから15〜45日。そのあと企業登録証明書(法令上は3日)、税務の登録(10日以内)、口座の開設(2週間ほど)と続きます。日本で用意する書類の翻訳・公証にも1〜2週間かかります(出典:書籍「ベトナム 設立」、Q&A)
- 資本金は、企業登録証明書の発行から90日以内に全額を払い込みます
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 業種(許認可・外資の規制・実務上の資本金)/工業団地の中か(申請先と日数)/出資比率/会社の形(有限会社・株式会社)/日本人の駐在員の人数(労働許可証) |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(仕訳・電子インボイスの数)/売上の規模(VAT・給与の源泉が月次か四半期か)/親会社など関連者との取引の有無(移転価格)/海外の会社への支払いの有無(外国契約者税)/従業員の人数(10人で就業規則)/決算月(3月末の監査の集中を避けるか)/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 業種
- 工業団地に入るか
- 出資比率
- 会社の形
- 資本金の予定額
- 開始時期
- 月の取引の件数の見込み
- 年間の売上の見込み
- 現地採用の人数(10人を超える時期)
- 日本人の駐在員の人数
- 海外の会社(親会社を含む)への支払い
- 決算月
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
