① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 会社の登記(商業省)、銀行口座の開設と資本金の払込み、税務登録と VAT の登録、印紙税、労働省への事業所開設の届出、社会保険(NSSF)の登録、業種の許可(飲食は観光省など)、日本人の駐在員の労働許可 |
| 毎月 | 記帳、毎月の税務申告(前払法人税・VAT・源泉税・給与税)、社会保険(NSSF)の納付と報告、労働省(LACMS)への給与の申告、給与の支払い(月2回) |
| 毎年 | 法人税の確定申告、パテント税、財務諸表の作成と ACAR への提出(監査が必要な会社は監査も)、商業省への年次事業申告、定時株主総会、労働許可の更新、外国人の割当の申請、労働の自己点検の報告(年2回)、勤続手当(年2回) |
カンボジアでは、ほとんどの税金を毎月の申告で確定させます。個人の確定申告の制度も無く、駐在員の所得税も会社の毎月の申告に入ります。そのため、年に1回の決算よりも、毎月の記帳と申告の正確さが費用と税務調査のリスクを左右します。(出典:書籍「カンボジア 税務」、Q&A「国独自の法人税申告の際の留意点などはありますか?」・「確定申告における手続きについて教えてください。」)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと
毎月
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 毎月の税務申告・納付(前払法人税・VAT・源泉税など) | 翌月20日まで(紙)/翌月25日まで(電子申告)(休日なら翌営業日) | すべての法人(投資優遇で法人税が免除の会社も、ゼロの申告が必要) | 書籍「カンボジア 税務」、Q&A「決算のスケジュールはどう組めばよいでしょうか?」、公表資料(KPMG 2024-10・PwC ほか) |
| 前払法人税 | 毎月(上の申告で) | すべての法人(売上の1%。確定申告で精算する)。投資優遇で法人税が免除の期間は免除だが、ゼロの申告は必要 | 書籍「カンボジア 税務」、公表資料(PwC・Emerhub・Rajah & Tann 2023) |
| VAT の申告・納付 | 翌月20日まで(紙)/翌月25日まで(電子申告) | VAT の登録事業者 | 書籍「カンボジア 税務」、公表資料(KPMG 2024-10ほか) |
| 源泉税の納付(国内・海外への支払い) | 翌月20日まで(紙)/翌月25日まで(電子申告) | 源泉税のかかる支払いをした会社 | 書籍「カンボジア 税務」、Q&A「海外への支払いについて、源泉徴収の必要はありますか?」、公表資料(KPMG 2024-10ほか) |
| 給与税の申告・納付 | 翌月20日まで(紙)/翌月25日まで(電子申告) | 給与を払う会社(駐在員を含む。個人の確定申告は無い) | 書籍「カンボジア 税務」、Q&A「確定申告における手続きについて教えてください。」、公表資料(KPMG 2024-10・Emerhub 2026-05・VDB Loi・PwC) |
| 社会保険(NSSF)の納付 | 翌月15日まで | 従業員を1人以上雇うすべての会社。労災0.8%・医療2.6%は全額会社負担、年金は雇用の開始から5年間は4%(会社2%・本人2%)。外国人も対象 | 書籍「カンボジア 労務」、Q&A「カンボジアで社会保険の加入有無は法律的にどのようになっていますか?」、公表資料(KPMG 2024-10・Emerhub・Lochan 2026) |
| 給与の支払い | 月2回(純賃金の50%を第2週、残りと手当を第4週) | すべての会社 | 書籍「カンボジア 労務」 |
| 労働省(LACMS)への給与の申告(従業員の名簿の更新を含む) | 翌月20日まで | すべての会社(給与の台帳は3年保存) | 書籍「カンボジア 労務」、公表資料(Prakas 111/25・2025-05-06) |
毎年(12月決算の場合)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 財務諸表の作成 | 決算日から3か月以内 | すべての会社 | 書籍「カンボジア 会計」 |
| 法人税の確定申告・納付 | 決算日から3か月以内(12月決算なら3月31日) | すべての法人(赤字でも申告が必要) | 書籍「カンボジア 税務」、Q&A「決算のスケジュールはどう組めばよいでしょうか?」 |
| パテント税(事業の登録の更新) | 毎年3月31日まで | 税務登録をしているすべての会社 | 書籍「カンボジア 税務」 |
| 財務諸表の ACAR への提出 | 監査なし=決算日から3か月と20日以内(12月決算なら4月20日)/監査あり=6か月と20日以内(7月20日)。区分の変更は期限の60日前までに申請 | すべての会社 | 書籍「カンボジア 会計」、公表資料(Andersen 2026-01-14・KPMG 2026-09) |
| 監査 | 毎年 | 2026年度から(Prakas 063):売上(商業200億・製造300億・サービス80億リエル)・総資産100億リエル・従業員100人のうち2つ以上に当たる会社。規模に関係なく対象=公企業・公的説明責任のある会社・投資優遇(QIP)を受けている会社・外国企業の支店・カジノ・売上80億リエル以上の不動産開発。基準を下回っても3年続けるのは売上50億リエル以上の会社だけ(売上40億・総資産30億リエルの基準は2025年度まで) | 書籍「カンボジア 会計」、Q&A「監査を受ける義務のある会社はどういう会社でしょうか?」・「現地で公開会社ではないですが、会計監査は必要でしょうか?」、公表資料(KPMG 2026-09・DFDL 2026-08-27) |
| 商業省への年次事業申告(Annual Declaration・ADCE) | 商業登記日の応当日の前3か月以内(+15日の猶予) | すべての会社(変更が無くても必要)。遅れると年200万リエル、3年続けて出さないと休眠会社の扱い | 書籍「カンボジア 会社法」・「カンボジア 設立」、Q&A「Annual Declarationについてのメールが商業省より来ましたがこれは何でしょうか?」、公表資料(Prakas 117・2026-01-08 施行。Rajah & Tann 2026-01-20・2026-06-09) |
| 移転価格の申告書と文書 | 年次の税務申告と一緒に(2025年1月から Prakas 574〔2024-09-19〕による) | 関連会社との取引がある会社(親会社との取引を含む) | 書籍「カンボジア 税務」、公表資料で確認(2026年9月30日) |
| 外国人の労働許可の更新 | 毎年(労働省は1〜3月末の更新を指導) | 外国人を雇う会社 | 書籍「カンボジア 労務」 |
| 外国人の割当(Quota)の申請 | 毎年9月〜11月30日に翌年分を申請 | 外国人を雇う会社(外国人はカンボジア人の従業員の10%が上限) | 書籍「カンボジア 労務」、公表資料で確認(2026年9月30日) |
| 労働の自己点検の報告 | 年2回(6月30日・12月31日) | 従業員を雇う会社 | 公表資料で確認(2026年9月30日) |
| 勤続手当の支払い | 6月と12月(7.5日分ずつ) | 従業員を雇う会社 | 公表資料で確認(2026年9月30日) |
そのほかの決まり(設立したとき・変更があったとき・人数が増えたとき)
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 印紙税(新しく設立した会社・支店・駐在員事務所) | 商業省に登記してから15日以内 | 書籍「カンボジア 税務」 |
| 社会保険(NSSF)の登録 | 活動の開始から30日以内/新しい従業員は雇用の開始から3日以内(試用期間の開始時点) | 書籍「カンボジア 労務」、Q&A「NSSF加入とStaff inの登録は、本採用時点で行うものでしょうか。…」 |
| 会計帳簿の言語(ACAR) | 帳簿は英語のまま可(ACAR 通知 031/24〔2024-05-15〕) | 書籍「カンボジア 会計」、公表資料で確認(2026年9月30日) |
| 従業員の総数と障害者の雇用の報告 | 従業員が100人以上なら、毎年1月に労働省へ | 書籍「カンボジア 労務」 |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。カンボジアでは毎月の税務申告で税金が確定し、年度や税目を限った税務調査(限定調査)も、毎月の申告の内容が主な対象になります(書籍「カンボジア 税務」)。記帳から毎月の申告・給与の計算までをまとめて委託する会社が多くなっています。
③ 設立の費用:法律上の下限と、実際に必要な額は違います
| 何の基準か | 書籍・Q&A にある額 | 出典 |
|---|---|---|
| 株式 | 1株の額面4,000リエル以上・最低1,000株(定款に特別の定めが無い場合) | 書籍「カンボジア 設立」 |
| 投資優遇(QIP)を受ける場合 | 資本金とは別に最低投資額の定めがある | 書籍「カンボジア 投資環境」 |
| 投資分野ごとの要件 | 分野によって、個別に最低資本金の要件がある | 書籍「カンボジア 設立」 |
- これは「設立に必要な金額」ではありません。法令の基準で、TCG の料金でも相場でもありません
- 資本金は登記の前に払い込む必要があります。ただし、設立前の会社の名義では口座を開けないのが実務のため、取締役の個人名義などを使います(出典:書籍「カンボジア 設立」、Q&A「資本金に関する規制などはありますか?」)
- 外国資本100%で設立でき、送金の規制もほぼありません(出典:書籍「カンボジア 投資環境」)
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 投資優遇(QIP)を申請するか/業種の許可(飲食=観光省・建設=建設省・EC など)/外国人を何人置くか(労働許可・割当)/特別経済区(SEZ)に入るか |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(仕訳と VAT インボイスの数)/従業員の人数(給与の月2回の計算・8人で就業規則・100人で監査の基準と報告)/監査の対象か/親会社との取引の有無(源泉税・移転価格)/投資優遇の報告の要否/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 業種と許可の要否
- 出資比率
- 資本金の予定額
- 投資優遇(QIP)を申請するか
- 開始時期
- 月の取引の件数の見込み
- 年間の売上・総資産の見込み(監査の基準)
- 現地採用の人数(8人・100人を超える時期)
- 日本人の駐在員の人数
- 親会社など海外の会社への支払い
- 決算月
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
