① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 定款の作成と登記(公証人)、税務登録(RFC)と電子署名(e.firma)、外国投資の登録(RNIE)、社会保険の事業主登録(IMSS・INFONAVIT)、銀行口座の開設と資本金の払込み、業種の許可(IMMEX など)、日本人の駐在員のビザ |
| 毎月 | 記帳、電子会計の提出、法人所得税の予定納付、IVA・源泉税の申告・納付、DIOT、州の給与税、給与計算と給与の電子明細(CFDI de Nómina)、社会保険料(毎月分) |
| 2か月ごと | 社会保険料(失業・退職金・年金)と INFONAVIT |
| 毎年 | 法人所得税の確定申告、ISSIF、通常株主総会、移転価格の文書と情報申告、PTU とアギナルドの支払い、駐在員の個人所得税の確定申告、労災保険料率の申告、RNIE の年次報告、(対象の会社は)税務監査・IMMEX の年次報告 |
メキシコでは、ほとんどの申告が電子で行われ、税務当局(SAT)が電子インボイス・電子会計・申告の3つを突き合わせています。毎月の記帳と電子インボイスの正確さが、税務のリスクを左右します。(出典:書籍「メキシコ 会計」・「メキシコ 税務」)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと
毎月
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 法人所得税(ISR)の予定納付 | 翌月17日まで | すべての法人 | 書籍「メキシコ 税務」 |
| 付加価値税(IVA)の申告・納付 | 翌月17日まで | IVA の納税者 | 書籍「メキシコ 税務」 |
| 源泉税(給与・支払い)の申告・納付 | 翌月17日まで | 源泉徴収をした会社 | 書籍「メキシコ 税務」 |
| 第三者との取引の情報申告(DIOT) | 翌月末まで(RMF 2026 規則4.5.1。法律上は翌月17日) | IVA の納税者 | 公表資料(Siempre al Día) |
| 電子会計(月次の試算表)の提出 | 翌々月3日まで(SAT へ XML。勘定科目表は最初と変更したときだけ) | すべての法人 | 書籍「メキシコ 会計」、公表資料(Siempre al Día) |
| 州の給与税(ISN)の申告・納付 | 州で異なる(多くの州で翌月17日まで。税率は州によって2.5〜4%台で、多くの州は3%。メキシコシティは4%) | 従業員を雇うすべての会社 | 公表資料(Runa) |
| 給与の電子明細(CFDI de Nómina)の発行 | 給与を払うたび | 給与を払うすべての会社(全従業員) | 書籍「メキシコ 会計」・「メキシコ 税務」 |
| 社会保険料(疾病・妊娠・労災・保育・労働不能・生命)の納付 | 翌月17日まで(LSS 39条) | 従業員を雇うすべての会社(会社負担の率は、労災の料率と給与の水準で変わる。老齢の保険料の会社負担は、2030年まで毎年上がる) | 書籍「メキシコ 労務」、Q&A「社会保険の種類と計算方法を教えてください。」、公表資料(SDV・Runa) |
2か月ごと
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 社会保険料(失業・退職金・年金)と INFONAVIT の納付 | 奇数月の17日まで(休日なら翌営業日) | 従業員を雇うすべての会社 | 書籍「メキシコ 労務」、公表資料(SDV・Runa) |
| 変動する給与(残業代・手当など)の IMSS への届出 | 奇数月の最初の5営業日以内(LSS 34条) | 従業員を雇うすべての会社 | 書籍「メキシコ 労務」、公表資料(IDC) |
毎年(メキシコはすべての会社が12月決算)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 労災保険料率の年次申告(IMSS) | 2月中 | 従業員を雇う会社 | 公表資料(Siempre al Día) |
| 法人所得税の確定申告 | 3月31日まで | すべての法人 | 書籍「メキシコ 税務」・「メキシコ 会計」、Q&A「年度末法人税申告の手続きについて教えてください。」 |
| 財政状況の情報(ISSIF) | 3月31日まで(年次申告と一緒に。CFF 32-H) | 前年の収入が基準以上の会社(2024年の収入で1,062,919,860ペソ。RMF 2026 の額は1,103,204,520ペソ)、国外と取引がある会社など。税務監査を受ける会社は不要 | 公表資料(Siempre al Día・AMCP DF・IMCP Folio 16) |
| 通常株主総会(決算の承認など) | 4月30日まで(年1回以上) | すべての会社 | 書籍「メキシコ 会計」・「メキシコ 会社法」、Q&A「取締役変更の際の流れを教えてください。」 |
| 駐在員の個人所得税の確定申告 | 4月30日まで(電子申告の場合) | 給与の年額などが基準を超える人 | 書籍「メキシコ 税務」、Q&A「個人所得税の還付金はどこの口座に還付されますか?」 |
| 外国投資(RNIE)の年次報告 | 4月または5月(社名の頭文字が A〜J は4月、K〜Z は5月) | 外国投資の登録をした会社(年次は、資産・負債・収入・費用のいずれかが1億1,000万ペソ以上の会社。基準を超える変更があれば四半期ごとの報告も) | 公表資料(EY) |
| 移転価格の文書(ローカルファイル)と情報申告(Anexo 9) | 5月15日まで(LISR 76条 X号・76-A条 II号。マスターファイル・国別報告書は12月31日まで) | 国外の関連会社(日本の親会社など)と取引がある会社(前年の収入が1,300万ペソ以下〔専門サービスは300万ペソ以下〕は免除) | 書籍「メキシコ 会計」、公表資料(AMCP DF・Siigo・BHR) |
| 税務監査(Dictamen Fiscal) | 5月15日まで(義務・任意とも) | 義務=前年の収入が 2,013,710,870ペソ以上の会社と上場会社(CFF 32-A)。任意=収入 157,785,270ペソ超・資産 124,650,380ペソ超・毎月300人以上のいずれかに当たる会社 | 書籍「メキシコ 会計」、公表資料(Siempre al Día・AMCP DF・IMCP) |
| PTU(労働者利益分配金)の支払い | 法人は5月30日まで(年次申告の期限から60日・LFT 122条。課税所得の10%を全従業員へ。取締役は対象外。2021年改正で1人あたりの上限あり) | 従業員を雇うすべての会社(設立1年以内の会社など一部は免除) | 書籍「メキシコ 税務」・「メキシコ 会計」、Q&A「弊社工場長は取締役となっており、…PTU支給対象者とはなりませんでしょうか。」、公表資料(Siempre al Día・SDV) |
| IMMEX の年次報告 | 5月の最終営業日まで(出さないと停止・取消し) | IMMEX の認可を受けた会社 | 公表資料(IDC) |
| アギナルド(クリスマスの法定賞与) | 12月20日まで(日給の15日分以上) | すべての会社 | 書籍「メキシコ 労務」、Q&A「賞与の支払い義務はありますか?…」 |
| 会計帳簿・電子インボイス・申告書などの保存 | 5年間(場合によって10年) | すべての会社 | 書籍「メキシコ 会計」、Q&A「会計帳簿は何年間保存する義務があるのでしょうか?」 |
※ 会計監査:非上場の会社に、一般的な会計監査の義務はありません(株式会社は監査役〔Comisario〕の報告のみ)。(出典:会社法〔LGSM〕164〜166条)
そのほかの決まり(設立したとき・人を雇ったとき・変更があったとき)
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 税務登録(RFC)と電子署名(e.firma) | 商業登記から30日以内(法定は1か月以内) | 書籍「メキシコ 設立」 |
| 外国投資の登録(RNIE) | 設立から40営業日以内(増減資・役員の変更なども、そのつど報告) | 書籍「メキシコ 設立」 |
| 従業員の IMSS への登録 | 雇用から5営業日以内(LSS 15条 I。固定の給与の変更も5営業日以内) | 書籍「メキシコ 労務」、公表資料(SDV・IDC) |
| 監査役(Comisario)を置く | 株式会社(S.A.)は常に1人以上(有限会社は任意) | 書籍「メキシコ 会計」、Q&A |
| 法定準備金の積立て | 純利益の5%以上を、資本金の20%に達するまで | 書籍「メキシコ 設立」 |
| 労働協約の見直し | 2年ごと(賃金の条件は毎年) | 書籍「メキシコ 労務」 |
| REPSE(専門サービスの提供者の登録) | 専門サービスを提供する会社のみ。3年ごとに更新し、年3回報告(1月・5月・9月の17日まで) | 公表資料(Mondaq) |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。書籍は、税務当局の担当者による判断のばらつきと、会計事務所の品質の差が大きいことを、メキシコ特有のリスクとして挙げています(書籍「メキシコ 会計」)。記帳から毎月の申告・電子会計・給与計算までをまとめて委託する会社が多くなっています。
③ 設立の費用:法律上の下限と、実際に必要な額は違います
| 何の基準か | 書籍・Q&A にある額 | 出典 |
|---|---|---|
| 最低資本金 | 定めなし(2012年1月に廃止。1ペソから設立できる) | 書籍「メキシコ 会社法」・「メキシコ 設立」 |
| 株主 | 2人以上 | 書籍「メキシコ 会社法」 |
| 現金での出資 | 各株主が資本金の20%以上を現金で出す | 書籍「メキシコ 会社法」 |
| 外資の審査(CNIE) | 既存の会社に49%を超える外資が入り、資産総額が基準(2025年時点で286億2,392万ペソ)を超える場合 | 書籍「メキシコ 設立」 |
- これは「設立に必要な金額」ではありません。法令の基準で、TCG の料金でも相場でもありません
- メキシコの会社の多くは「可変資本(C.V.)」の形で、固定部分を少なくし、可変部分をあとから増やせます(書籍「メキシコ 設立」・「メキシコ 会社法」)
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 会社の形(S.A. de C.V.・S. de R.L. de C.V.)/業種の許可(IMMEX など輸出の制度)/外資の規制に当たるか/日本人の駐在員の人数(ビザ) |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(電子インボイスの数)/従業員の人数(社会保険料・州の給与税・PTU・アギナルド・給与の電子明細)/親会社との取引の有無(移転価格の文書・源泉税)/税務監査・ISSIF の対象か/IMMEX・REPSE の対象か/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 業種と許可の要否(IMMEX など)
- 会社の形と出資比率
- 資本金の予定額
- 開始時期
- 月の取引の件数・電子インボイスの数の見込み
- 年間の売上・資産の見込み(税務監査・ISSIF の基準)
- 現地採用の人数
- 日本人の駐在員の人数
- 親会社など海外の会社との取引(移転価格・源泉税)
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
