① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 会社の設立(定款・法務省の承認・NIB)、税務番号(NPWP)、PMA 口座の開設と資本金の払込み、業種ごとの事業許可 |
| 毎月 | 記帳、源泉税の計算・納付・申告、法人税の予定納税(PPh25)、VAT の申告、給与計算、社会保険(BPJS)の納付 |
| 四半期 | 投資活動報告(LKPM) |
| 毎年 | 監査、法人税の確定申告、定時株主総会と法務省への届出、労務の年次報告(WLKP)、宗教大祭手当(THR)、源泉徴収票の交付、土地建物税(PBB-P2)、駐在員の個人所得税 |
インドネシアでは、外資の会社(PMA)は、規模にかかわらず公認会計士の監査を受けるのが通例です。会社法が監査を義務づけているのは、上場会社や、資産または売上が500億ルピア以上の会社などですが(会社法68条)、外資の会社は、親会社の連結決算・銀行・税務の関係で監査済みの決算を求められます。監査が義務の会社は、監査を受けないと株主総会で決算の承認を得られません。(出典:書籍「インドネシア 会計」・「インドネシア 会社法」、会社法68条)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと
毎月
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 源泉税の納付と申告(給与の PPh21、国内・海外へのサービスの支払いの PPh23・PPh26 など) | 納付は翌月15日まで、申告は翌月20日まで | 給与や源泉徴収の対象となる支払いをした会社 | 書籍「インドネシア 税務」・「インドネシア 設立」、PMK 81/2024(Pajakku・MUC・RSM) |
| 法人税の予定納税(PPh25) | 翌月15日までに納付(前年の法人税の12分の1) | 前年に法人税を納めた会社 | 書籍「インドネシア 税務」、Q&A「中間納付、予定納税は必要ですか?」、PMK 81/2024 |
| 付加価値税(VAT)の申告 | 翌月末まで(納付は申告の前に。納める額が0でも申告が必要) | VAT の課税事業者 | 書籍「インドネシア 税務」・「インドネシア 設立」、Q&A「VATの申告は年に一度ですか?」 |
| 健康保障(BPJS Kesehatan)の保険料 | 毎月10日まで | 従業員を雇うすべての会社 | 書籍「インドネシア 労務」・「インドネシア 設立」 |
| 労務保障(BPJS Ketenagakerjaan)の保険料 | 毎月15日まで | 従業員を雇うすべての会社 | 書籍「インドネシア 設立」 |
| 海外からの借入れの報告(インドネシア中央銀行) | 引き出した月の翌月15日まで | 海外の親会社などから外貨で借り入れた会社(金額にかかわらず) | 書籍「インドネシア 税務」、PBI 21/2/PBI/2019(conventuslaw) |
四半期
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 投資活動報告(LKPM) | 四半期の終わりの翌月15日まで(4月15日・7月15日・10月15日・1月15日) | 外資の会社(マイクロ事業者を除く事業者が対象。小規模は半期、中・大規模は四半期。PMA は大規模の扱いで四半期) | 書籍「インドネシア 設立」・「インドネシア 会社法」、Q&A「四半期ごとのLKPMレポートを…」、BKPM 規則2025年第5号 286条 |
毎年(12月決算の場合)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 監査 | 法律に監査そのものの期日は無い。法人税の確定申告(決算日から4か月目の末日)に監査報告書を付けるため、それまでに終える | 法律上の義務は上場会社、資産または売上が500億ルピア以上の会社など(会社法68条)。外資の会社は通例、すべて受ける | 書籍「インドネシア 設立」・「インドネシア 会計」 |
| 法人税の確定申告・納付 | 決算日から4か月目の末日まで(12月決算なら4月末。2か月の延長が可能。納付は申告の前に) | すべての法人 | 書籍「インドネシア 税務」・「インドネシア 設立」、Q&A「確定申告における手続きについて教えてください。」 |
| 移転価格の文書(マスターファイル・ローカルファイル) | 決算日から4か月以内に作成 | 作成基準に当たる会社 | 書籍「インドネシア 税務」 |
| 定時株主総会 | 決算日から6か月以内 | すべての会社 | 書籍「インドネシア 会社法」・「インドネシア 会計」、会社法78条 |
| 年次報告の法務省(SABH)への届出 | 総会の承認から30日以内 | すべての会社 | Permenkum 49/2025(Rajah & Tann・IKPI) |
| 実質的支配者の情報の更新 | 年1回以上 | すべての会社 | Permenkum 2/2025 |
| 宗教大祭手当(THR)の支給 | レバラン(断食明けの大祭)の1週間前まで(実務では2週間前まで) | 1か月以上勤めている従業員がいる会社(有期・無期を問わない) | 書籍「インドネシア 労務」 |
| 労務の年次報告(WLKP) | 毎年12月(最初の届出は設立から30日以内) | 従業員を雇う会社 | 書籍「インドネシア 会社法」、労働大臣規則2017年第18号 5条 |
| 従業員への源泉徴収票(1721-A1)の交付 | 翌年1月末まで | 給与を払う会社 | pajak.go.id |
| 土地建物税(PBB-P2)の納付 | 納税の通知を受け取ってから6か月以内(自治体ごとに決まる) | 土地・建物を持つ会社 | 公表資料で確認(2026年9月29日) |
| 海外からの借入れの年間計画の報告(インドネシア中央銀行) | 3月15日まで | 海外から借り入れる会社 | 公表資料で確認(2026年9月29日) |
| 駐在員の個人所得税の確定申告 | 翌年3月31日まで | 居住者となる駐在員 | 書籍「インドネシア 税務」・「インドネシア 設立」 |
| 会計帳簿・証憑の保存 | 10年間 | すべての会社 | 書籍「インドネシア 会計」・「インドネシア 税務」、Q&A「会計帳簿は何年間保存する義務があるのでしょうか?」 |
そのほかの決まり(変更があったとき・人数が増えたとき)
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 取締役・監査役の選任・解任・住所変更などの届出 | 原則30日以内 | 書籍「インドネシア 会社法」 |
| 実質的支配者(25%超を持つ個人)の届出と更新 | 変わったとき(年1回以上の更新は「毎年」の表) | 書籍「インドネシア 会社法」、Permenkum 2/2025 |
| WLKP(労務の報告)の初回の届出 | 設立から30日以内 | Cekindo |
| 就業規則の作成 | 従業員が10人以上になったら作成し、労働局の承認を受ける。有効期間は最長2年で、その都度更新 | 書籍「インドネシア 労務」、Q&A「就業規則の作成義務はありますか?…」、UU 13/2003 108条 |
| 外国人を雇うときの補償金(DKPTKA) | 労働許可を取るときに前納 | 書籍「インドネシア ビザ」 |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。申告書・就業規則・開示書類は原則インドネシア語で、2025年からは税務の手続きが新しいシステム(Coretax)に移りました。日本の本社に担当者がいない会社の多くは、記帳から申告・報告までをまとめて委託しています。
③ 設立の費用:法律上の下限と、実際に必要な額は違います
| 何の基準か | 書籍にある額 | 出典 |
|---|---|---|
| 外資の会社(PMA)の払込資本金 | 1社につき25億ルピア以上(2025年10月の改定。それまでは100億ルピア)。投資の総額は、事業分類(KBLI 5桁)と場所ごとに100億ルピア超(土地・建物を除く)。払い込んでから12か月は引き出せない(設備投資・運転資金に使う場合の例外あり) | 書籍「インドネシア 投資環境」・「インドネシア M&A」(BKPM 規則2025年第5号 26条・27条) |
| 投資額(土地・建物を除く) | 原則、事業の分類(KBLI 5桁)ごとに100億ルピア超 | 書籍「インドネシア 投資環境」 |
| 株主1人あたりの出資額 | 1,000万ルピア以上 | 書籍「インドネシア 投資環境」 |
| 外国人1人を雇うための補償金(DKPTKA) | 1人につき月100USドル(1年で1,200USドル)を前納 | 書籍「インドネシア ビザ」 |
- これは「設立に必要な金額」ではありません。法令が定める下限で、TCG の料金でも相場でもありません。2025年10月に大きく変わったので、古い情報(100億ルピア)に注意してください
- 授権資本金の25%以上を発行して全額を払い込み、払い込みの証明を設立証書の日から60日以内に法務大臣へ出します(出典:会社法33条・政令2021年第8号 4条)
- 設立の登記は、申請から3週間〜1か月ほど。税務番号と PMA 口座はそれぞれ1週間ほど。業種の事業許可があれば、さらにかかります(出典:書籍「インドネシア 設立」)
- 外国人を1人雇うごとに、インドネシア人を10人雇う決まりもあります(出典:書籍「インドネシア 労務」)
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 業種(外資の規制・事業許可)/事業の分類(KBLI)の数(投資額の基準が分類ごと)/出資比率/日本人の駐在員の人数(補償金・インドネシア人の雇用の比率)/輸入の有無(輸入の登録) |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(仕訳の数)/源泉税の対象となる支払いの件数(国内・海外)/従業員の人数(10人で就業規則の作成と承認)/海外からの借入れの有無(毎月の報告)/移転価格の文書の要否/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 業種と事業の分類(KBLI)
- 出資比率
- 資本金と投資額の予定
- 開始時期
- 月の取引の件数の見込み
- 現地採用の人数(10人を超える時期)
- 日本人の駐在員の人数
- 輸入するか
- 親会社からの借入れの予定
- 決算月
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
