① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 会社の設立(電子署名・取締役識別番号・商号・設立登記)、税務番号(PAN・TAN)、GST の登録、銀行口座の開設 |
| 毎月 | 記帳、源泉税(TDS)の計算と納付、GST の申告と納付、給与計算、社会保険(EPF・ESI)の拠出、(該当する州は)専門職税 |
| 毎年 | 決算と法定監査、法人税の確定申告、定時株主総会、会社登記局への提出、GST の年次申告、取締役の KYC、(該当する会社は)税務監査・移転価格の証明書・外国資産負債の報告・預り金の報告 |
インドでは、規模にかかわらず、すべての会社が毎年、法定監査を受けなければなりません。日本では大会社だけの義務なので、ここで費用の見込みが大きくずれることがよくあります。(出典:書籍「インド 会計」)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと(法律で決まっていること)
毎月
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 源泉税(TDS)の納付 | 徴収した月の翌月7日(3月分だけは4月30日) | 源泉徴収の対象となる支払いをした会社。サービスの対価も含め対象が広い | Q&A「徴収された源泉税の納付はどのようにすればよいでしょうか?」/「インドにおけるTDSの仕組み」 |
| GST の申告・納付 | GSTR-1:翌月11日/GSTR-3B(申告と納付):翌月20日。前年売上5クローレ以下の QRMP(四半期)は、GSTR-1 が四半期の翌月13日、GSTR-3B が四半期の翌月22日か24日、納付は毎月25日 | GST に登録した会社(州の拠点ごとに登録) | Q&A「VATの申告は年に一度ですか?」・「GST登記を教えてください。」/Taxmann・Tally |
| 賃金の支払い | 翌月7日 | すべての従業員(会社の規模・賃金の額に関係なく) | Code on Wages 2019 第17条(lawrbit・India Code) |
| 従業員積立基金(EPF)の納付・申告 | 納付と申告(ECR)とも翌月15日 | 20名以上を雇う会社(指定の180業種。ほとんどの会社が該当) | 書籍「インド 労務」/Tally |
| 従業員国家保険(ESI)の納付 | 翌月15日 | 原則10名以上の会社の、月2万1,000ルピー以下の従業員 | 書籍「インド 労務」/ESIC 公式・Tally |
| 専門職税(Professional Tax・州税) | 州ごとに違う(毎月の州が多い。タミル・ナードゥ州は半年ごと) | 約17州(マハラシュトラ・カルナータカ・タミル・ナードゥ・西ベンガル・グジャラート・テランガナなど)に拠点がある会社。デリーなどは無し。額の上限は1人年2,500ルピー(憲法276条) | 憲法276条・各州の専門職税法 |
四半期ごと
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 法人税の予定納税(中間納付) | 6月15日から3か月ごとの15日(年4回) | 見積税債務が1万ルピー以上の法人 | Q&A「中間納付、予定納税は必要ですか?」 |
| 源泉税(TDS)の四半期の申告 | 7月31日・10月31日・1月31日・5月31日 | 源泉徴収をした会社(給与は Form 138、それ以外は Form 140。旧 24Q・26Q) | Taxheal |
| 取締役会の開催 | 年4回以上・間隔は120日以内 | すべての会社 | 会社法173条 |
毎年(3月末決算の場合)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 法定監査 | 定時株主総会まで(財務諸表は監査済みでなければならない) | すべての会社(支店も) | 書籍「インド 会計」・「インド 設立」 |
| 税務監査(報告書は Form 26。旧 Form 3CD) | 9月30日(2026年3月期だけは10月21日に延長。CBDT 通達 07/2026〔2026年9月28日〕)。遅れると手数料(1か月以内7.5万ルピー・超えると15万ルピー。財政法案2026) | 総売上高1,000万ルピー以上の会社(現金の受取と支払の両方が5%以下なら1億ルピー) | 書籍「インド 会計」/CBDT 通達 07/2026 |
| 定時株主総会 | 会計期間の終了後180日以内(3月決算なら9月末。設立初年度は9か月以内) | すべての会社 | Q&A「決算のスケジュールはどう組めばよいでしょうか?」 |
| 財務諸表・年次報告書を会社登記局へ | 定時株主総会の後、財務諸表は30日以内・年次報告書は60日以内 | すべての会社 | 書籍「インド 会計」 |
| 会計監査人の選任の届出(ADT-1) | 定時株主総会の後15日以内 | すべての会社 | legalwiz |
| 法人税の確定申告 | 10月31日(移転価格の取引がある会社は11月30日。2026年3月期だけは11月21日に延長。移転価格の取引がある会社は延長の対象外。CBDT 通達 07/2026〔2026年9月28日〕) | すべての法人 | Q&A「年度末法人税申告の手続きについて教えてください。」/Taxmann・Tribune・CAclubindia |
| 移転価格の証明書(Form 3CEB。2027年3月期からは Form 48) | 10月31日 | 親会社などとの取引がある会社 | 所得税法(1961年)92E条・規則10E |
| 外国資産負債(FLA)の報告 | 7月15日(監査が間に合わなければ暫定で出し、9月30日までに出し直す) | 外国からの直接投資を受けている会社 | Q&A「インドにおけるFLA申告とはなにか」/RBI |
| 給与の源泉徴収票の発行(Form 130。旧 Form 16) | 6月15日 | 給与から源泉徴収をした会社 | Taxheal |
| 取締役の KYC(DIR-3 KYC) | 3年に1度・6月30日(2026-03-31 の改正) | 取締役識別番号(DIN)を持つ取締役 | setindiabiz |
| 預り金の報告(DPT-3) | 6月30日 | 親会社からの借入などがある会社(親会社からの借入があれば、ほぼ対象) | legalwiz |
| GST の年次申告(GSTR-9) | 12月31日(前年売上5クローレ超は GSTR-9C も) | GST に登録した会社 | incorpx |
| 賞与の支払い | 決算日から8か月以内 | 月2万1,000ルピー以下の従業員 | 書籍「インド 労務」/Code on Wages 2019(2026-08-25 の告示で上限を 2025-11-21 に遡って規定。SCC Online) |
| 会計帳簿の保存 | 8年間 | すべての会社。監査証跡を残す会計ソフトの使用も義務(2023年4月から) | 書籍「インド 会計」 |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。日本の本社にインドの経理の担当者がいない場合、多くの会社が記帳から申告までをまとめて委託しています。
③ 設立の費用:一度きりの手続き
設立はインド企業省のオンラインの手続きで、次の順に進みます(出典:書籍「インド 設立」)。
- 取締役の電子署名(DSC)の取得
- 取締役識別番号(DIN)の取得
- 商号の申請(親会社と似た社名なら、親会社の「異議なし」の書面が要る)
- 設立登記(SPICe+。PAN・TAN の取得、EPF・ESI の登録も同時にできる)
- 定款の提出と印紙税(州ごとに額が違う)・授権資本金に応じた登録免許税の支払い
- 設立の後、180日以内に業務開始の宣言
- GST の登録(物品・サービスを売買する場合)、輸出入者コード(輸出入をする場合)
- 最低払込資本金の定めは、2015年の会社法改正で廃止されました。ただし業種の規制で最低資本がある場合があります(NBFC など)(出典:India Briefing・TaxGuru)
- 支店・駐在員事務所は、外国の親会社に純資産の条件があります(支店は10万米ドル相当以上、駐在員事務所は5万米ドル相当以上)。駐在員事務所は3年ごとの更新が必要です(出典:書籍「インド 設立」)
- 印紙税・登録免許税の額は、州と授権資本金の額で変わるため、ここには書きません
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 進出の形(現地法人・支店・駐在員事務所)/州(印紙税)/授権資本金の額/業種(外資規制・許認可) |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(仕訳の数)/源泉税の対象となる支払いの件数(インドは対象が広い)/GST を登録する州の数/従業員の人数(EPF・ESI・賞与の対象か)/売上高(税務監査の要否)/親会社との取引の有無(移転価格の証明書)/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 進出の形
- 拠点を置く州(複数なら全部)
- 業種
- 出資比率と授権資本金の予定額
- 開始時期
- 月の取引の件数の見込み
- 源泉税の対象になりそうな支払い(業務委託・家賃・手数料など)
- 現地採用の人数(10名・20名以上になる時期)
- 駐在員の人数
- 売上高の見込み(1,000万ルピーを超えるか)
- 親会社との取引(仕入・ロイヤリティ・役務・借入)
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
