閉鎖・撤退
Ⅳ
撤 退
会社の清算および撤退
ラオス進出後において、経済状況の変化および現地でのビジネスが 頓挫するなどの事情により、撤退を余儀なくされるケースも想定され ます。
外国投資企業の清算および撤退に関しては、投資奨励法89条に外国投資企業の解散に関する記載があります(旧法ベースの整理であり、現行の2024年改正投資奨励法〔No.62/NA〕では条番号・事由構成が異なるため、実務では現行法の確認が必要です)。
【投資の終了(投資奨励法 89 条)】
① 投資ライセンスの有効期間が満了、または投資プロジェクトが完了した場合 |
② ラオス政府が更新を許可しない場合 |
③ 企業法に従った外国投資企業の株主の決議があった場合 |
④ 企業再建・破産法(No.75/NA、2019年)に基づく解散の場合 |
⑤ 裁判所の決定があった場合 |
株主が会社の解散もしくは清算の決議を行った場合、外国投資企 業は決議日より10 営業日以内に解散・清算の説明文を添えて決議文を商工省に提出しなければなりません。また、外国投資企業の解 散・清算を前に、所管当局(計画投資省・商工省等)は、関連部署からの意見を聴取し、外国投資企業がラオスの法律と規則に従い、すべての問題を解決し、その 義務のすべてを果たしたことを確認する必要があります。
その後、外国投資企業の解散・清算について、所管当局(計画投資省・商工省等)
は外国投資企業より投資ライセンスを剥奪し、事業登録事務所および税務局に通知します。事業登録事務所員は外国投資企業の 企業登録証明書を無効とし、登録名簿から削除するとともに新聞や政 府公報にてその事実を国民に知らせます。
外国投資企業は、最終的に事業登録事務所に会社印を返却します。 外国投資企業の解散手続が完了し、すべての義務を果たした後、外国投資家はラオスの法律と規則に従い、清算の結果得られた資本や資 金、収益を外国送金する権利が認められます。
- 企業法に基づく清算手続
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カンボジア
ラオス
上記のうち、企業法に基づき任意で清算する場合の手続を確認しま す。非公開会社の場合の清算プロセスは以下のとおりです。
【会社清算の流れ】
解散の決定
清算人の選定
清算人による債務と資産の分配
会社清算の登録
[ 解散の決定 ]… ❶
清算の方法は、会社の倒産あるいは裁判所の命令、残存株主が1名のみまたは30名を超える場合を除き、株主同士の合意または会社定款に定められた方法で清算を実施します(2013年企業法169条。以降、本項中の条文はすべて同法に基づきます。なお、企業法は2022年に改正〔No.33/NA、2023年3月施行〕されており、現行法では条番号等が異なる点にご留意ください)。
株主が1名のみ、または30名を超える場合には、会社ではなく裁判所が 清算方法および清算人を決定します。
[ 清算人の選定 ]… ❷
非公開会社の場合、清算人は定款に定めがあればそれにより、定めがない場合は株主総会によって決定されます。株主
総会出席者の3 分の2 以上の投票により選定されますが、選定が不十分な場合は裁判所によって選任されます(170 条)。
清算人に与えられる権限および義務は以下のとおりです(67 条)。
- 解散事由の発生日から10営業日以内に、債権者への書面による通知および公示を行う
- 資産情報の収集、貸借対照表の作成
- ペンディング中の事業を完了させる手続の実施
- 清算実施による清算人の報酬の受取
- 財産の保全、債権の全額回収、資産の譲渡・売却のための手続
- 貸借対照表を監査人に提出し、その真正性の承認を受けること
- 半年に1 回、債権者と株主による会議の開催
- 株主と債権者を集めた会議で決定された業務の実行
- 登録官(registrar)への四半期ごとの貸借対照表の提出
- 債権者への債務返済、株主への資産分配
- 企業の法的手続の仲介
- 債務の支払ができない場合、清算人による破産手続の申請
[ 清算人による債務と資産の分配 ]… ❸
債務返済と資産分配は以下の優先順位で行われます(69 条)。
- 従業員の給与
- 担保取引法(取引の安全性の確保に関する法律)4条に記載されている国に対する債務(企業と国、または企業と個人との間の契約から発生しな い債務)
- 担保付債務
- 無担保債務(非公開会社では、以上の弁済後の残余財産は株主へ分配されます〔173条〕。以下の3項目はパートナーシップの場合の順位です)
- 企業法4 4 条4 項と5 項に記載されたパートナーに支払われる債務
- パートナー間の損失と利益の分配
- パートナーへの資産の償還
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カンボジア
[ 会社清算の登録 ]… ❹
企業法70 条に記載があるように、債務の返済と資産の配布を通知した上で、清算人は10営業日以内に登録官(registrar)へ企業の解散登録を届け出なければいけません。
ラオス
登録官は企業名を登録簿から抹消し、抹消された日から10営業日以内に公示をしなければなりません(72条・174条)。
清算が完了すると、清算人は以下の行為を行います(70 条)。
- 債権者と株主の会議によって決定された債務の返済と資産の分 配を早急に資料として準備する
- 債務の返済と資産の分配が完了した日から10 営業日以内に、債務の返済と資産の分配状況を公開する
- 清算完了に関するすべての資料を事業登録事務所へ提出する
[参考資料・ウェブサイト]
- 独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)ビエンチャン事務所 ビジネス展開支援部・ビジネス展開支援課「ラオス投資ガイドブック 2016」2016 年 3 月https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/286e18ef77bc5c1 b/rpla-201603.pdf
- 独立行政法人 日本貿易振興機構(JETRO)ビエンチャン事務所 ビジネス展開支援部・ビジネス展開支援課「ラオス投資ガイドブック 2019」2019 年 3 月https://www.jetro.go.jp/ext_images/_Reports/02/2017/286e18ef77bc5c1 b/rpla-201903.pdf
2章 ラオス
