① 費用は3つに分かれます
| 何の費用か | |
|---|---|
| 一度きり | 会社の登記(営業許可証)、銀行口座(資本金口座など)の開設、外貨の登記、資本金の払込み(有限責任会社は登記から5年以内)、社会保険・住宅積立金の登録、業種の許可、日本人の駐在員の就労許可と居留許可 |
| 毎月 | 記帳と月次の決算、財務諸表の税務局への提出(申告の期間に合わせる)、増値税・附加税・個人所得税の申告、社会保険料・住宅積立金の納付、給与の支払い、発票(領収書)の管理 |
| 四半期 | 四半期の報告と企業所得税の予定納付(月ごとの会社もある)、印花税の申告(四半期などの単位) |
| 毎年 | 監査(外資の会社はすべて)、年度財務諸表の提出、企業所得税の確定申告、関連取引の年度報告、企業年度報告の公示、外商投資情報報告の年度報告、外貨の存量権益登記、法定準備金の積立て |
中国では、外資の会社は規模に関係なく毎年監査を受けます。また、財務諸表を申告の期間ごとに税務局へ出すため、月次の決算が欠かせません。発票が無いと税務処理ができないのも中国の特徴です。(出典:書籍「中国 会計」・「中国 税務」、Q&A「監査を受ける義務のある会社はどういう会社でしょうか?」)
② 会社を持つと、毎月・毎年しなければならないこと
毎月
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 財務諸表(前月の貸借対照表・損益計算書)の税務局への提出 | 申告の期間に合わせる(小規模は年1回の地域もある) | すべての会社 | 書籍「中国 会計」、Q&A「中国の会計期間について教えてください。」、China Briefing |
| 増値税(VAT)の申告・納付 | 翌月15日(申告の期間は税務局が決める。四半期の会社もある) | 増値税の納税者 | 書籍「中国 税務」、Q&A「増値税の申告は年に一度ですか?」 |
| 附加税の申告・納付 | 増値税と一緒に | 増値税の納税者 | 都市維持建設税法 7条 |
| 個人所得税の申告(源泉徴収) | 翌月15日まで(休日は延長) | 給与を払う会社(駐在員を含む) | 書籍「中国 税務」、gov.cn 公報 2019・江蘇省税務局 2024-12-27 |
| 社会保険(養老・医療・労災・失業・生育)の納付 | 毎月(期日は全国一律ではなく、地域による。集める機関も地域で違う) | すべての会社。外国人も原則として対象(年金は日中社会保障協定で免除の手続きができる) | 書籍「中国 労務」、Q&A「中国の社会保険法について教えてください。」・「日中社会保障協定について教えてください。」、China Briefing 2024-12 |
| 住宅積立金の納付 | 毎月 | 制度のある地域の会社(中国籍の従業員。外国人は不要) | 書籍「中国 労務」、Q&A「住宅積立金について教えてください。」 |
| 給与の支払い | 少なくとも毎月1回 | すべての会社 | 書籍「中国 労務」 |
| 海外への支払いの源泉税の納付 | 源泉徴収した日から7日以内 | 配当・利子・使用料などを海外に払う会社(日中間は原則10%) | 書籍「中国 税務」、Q&A「海外への支払いについて、源泉徴収の必要はありますか?」 |
四半期
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 四半期の報告と企業所得税の予定納付 | 四半期の終了の翌月15日まで(月ごとか四半期ごとかは税務局が決める。第4四半期は年度終了後15日以内) | すべての会社 | 書籍「中国 会計」・「中国 税務」、Q&A「中国の会計期間について教えてください。」、国家税務総局 法規DB |
| 印花税の申告 | 四半期・年・その都度のいずれか(地域の税務局が決める)。期間の終わりから15日以内 | 課税される契約などがある会社 | 印花税法 16条 |
毎年(中国はすべての会社が12月決算)
| 何を | いつまでに | 対象 | 出典 |
|---|---|---|---|
| 監査 | 年度財務諸表の提出に間に合うように | 外資の会社はすべて | 書籍「中国 会計」、Q&A「監査を受ける義務のある会社はどういう会社でしょうか?」 |
| 監査報告書つきの年度財務諸表 | 全国で決まった期日は無い。5月31日の確定申告に間に合わせるため、実務では4月末までに仕上げる(地域によって提出を求められる) | 外資の会社 | 書籍「中国 会計」、Q&A「監査を受ける義務のある会社はどういう会社でしょうか?」、会社法 208条 |
| 企業所得税の確定申告(汇算清缴)・納付 | 5月31日まで(全国一律) | すべての会社 | 書籍「中国 税務」・「中国 会計」、Q&A「汇算清缴(huì suàn qīng jiǎo)とは何でしょうか?」、国家税務総局 法規DB |
| 関連取引の年度報告表 | 5月31日まで(確定申告と一緒に) | 関連取引のある会社 | 公告2016年第42号 |
| 同期資料(ローカルファイル)の作成 | 翌年の6月30日まで | 作成の義務のある会社 | 公告2016年第42号 |
| 企業年度報告の公示(国家企業信用情報公示システム) | 1月1日〜6月30日 | すべての会社(出さないと「経営異常名簿」に載り、公開される) | 書籍「中国 会計」、gov.cn 2014-08-23 |
| 外商投資情報報告の年度報告 | 1月1日〜6月30日(年度報告の公示と同じシステム) | 外資の会社 | 長治市 2024-04・香港 TID 2025 |
| 外貨の存量権益登記 | 1月1日〜9月30日 | 外資の会社 | 汇发〔2015〕13号 |
| 法定準備金の積立て | 決算のとき(税引き後利益の10%以上を、登録資本金の50%に達するまで) | すべての会社 | 書籍「中国 会社法」、Q&A「中国子会社の資本金組み入れについて、教えてください。」 |
| 会計帳簿・証憑の保存 | 30年=原始証憑・記帳証憑・総勘定元帳・明細帳・日記帳など/10年=月次・四半期・半期の財務報告、銀行残高調整表、銀行明細、納税申告書/永久=年度財務報告など/固定資産カード=廃棄して清算した後5年 | すべての会社 | 書籍「中国 会計」、会计档案管理办法(2016年・gov.cn 公報 2016年第5号・財政部) |
そのほかの決まり(設立したとき・人を雇ったとき・変更があったとき)
| 何を | いつまでに | 出典 |
|---|---|---|
| 登録資本金の払込み | 有限責任会社は、会社の登記から5年以内(2024年7月施行の改正会社法)。株式会社は登記前に全額。2024-06-30 より前に登記した会社は、2027-06-30 までの経過期間あり | 書籍「中国 設立」、Rajah & Tann 2024・Jones Day 2024-07・KPMG 2024-07 |
| 書面の労働契約 | 雇用の開始から1か月以内(遅れると罰則) | 書籍「中国 労務」、Q&A「中国の労働契約書について教えてください。」・「中国での労働契約について教えてください。」 |
| 解除した労働契約書の保存 | 2年間 | Q&A「既に退職した社員の労働契約書は保存する必要がありますか?」 |
| 年の途中で事業をやめる場合の確定申告 | 事業の終了から60日以内 | 書籍「中国 税務」 |
| 減資 | 決議から10日以内に債権者へ通知・30日以内に新聞または国家企業信用情報公示システムで公告(会社法224条) | Q&A「減資を行う際のプロセスについて教えてください。」 |
これを、自社でやるか・委託するかで、毎月の費用が決まります。中国では、記帳・申告・給与計算を外部に委託する会社が多くあります。
③ 設立の費用:法律上の下限と、実際に必要な額は違います
| 何の基準か | 書籍・Q&A にある額 | 出典 |
|---|---|---|
| 最低資本金 | 定めなし(2013年に撤廃。法律上は1元でも設立できる。株式会社も同じ。銀行・保険などを除く) | 書籍「中国 設立」、商務部令2019年第3号 |
| 払込みの期限 | 有限責任会社は、会社の登記から5年以内(株式会社は登記前に全額) | 書籍「中国 設立」、Rajah & Tann 2024 |
| 業種ごとの要件 | 外資の規制で、一定の業種には出資比率の上限や資本金の下限がある | Q&A「M&Aにおいて留意事項はありますでしょうか?」 |
| 親会社からの借入れの枠 | 投資総額と登録資本金の差(投注差)か、マクロプルーデンスの方式で決まる | 書籍「中国 設立」、Q&A「親子ローンの規制は、ありますか?」 |
- これは「設立に必要な金額」ではありません。法令の基準で、TCG の料金でも相場でもありません。書籍も「実務上、最低資本金の制限を受けずに設立できることは稀で、少額の資本金ならコンサルティング会社程度の規模」と書いています
- 資本金の額は、親会社から借りられる額(投注差)にも効きます。あとから増やすことはできても、原則として減らせません(Q&A「増資を行う際のプロセスについて教えてください。」)
④ 金額を動かす要因
| 費用を大きく変えるもの | |
|---|---|
| 設立 | 業種(外資の規制・許可)/資本金の額(借入れの枠)/日本人の駐在員の人数(就労許可・居留許可・社会保険)/地域(社会保険料・住宅積立金・税務局の運用が地域で違う) |
| 毎月・毎年 | 取引の件数(仕訳・発票の数)/従業員の人数(社会保険の会社負担)/増値税の申告の単位(月か四半期か)/親会社への支払いの有無(源泉税・外貨の手続き)/関連取引の有無(年度報告表・同期資料)/監査の費用(全社)/日本の本社への月次の報告の要否 |
⑤ 見積もりに必要な前提(チェックリスト)
- 業種と外資の規制の有無
- 出資比率
- 資本金の予定額と払込みの時期
- 所在地(市・区)
- 開始時期
- 月の取引の件数・発票の数の見込み
- 現地採用の人数
- 日本人の駐在員の人数
- 親会社など海外への支払い(配当・利子・使用料)
- 関連取引の有無
- 日本の本社への報告(月次/四半期)
御社の条件で、設立の費用と毎月の費用を一緒に確認します
上の一覧のうち、どれを社内で行い、どれを委託するかで毎月の費用が決まります。チェックリストの前提を、専門家がお伺いします。
このページに書いた金額は、法令で定まった基準だけです。TCG の料金ではありません。
